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ぐるり東海(7)【笠寺通信】

酒好きの大人形 次世代へ

写真:祭りに参加する猩々の身支度をする笠寺猩々保存会の久野充浩会長=名古屋市南区松池町 拡大祭りに参加する猩々の身支度をする笠寺猩々保存会の久野充浩会長=名古屋市南区松池町

写真:七所神社に到着するみこし行列。猩々にもいろいろな顔がある=名古屋市南区笠寺町 拡大七所神社に到着するみこし行列。猩々にもいろいろな顔がある=名古屋市南区笠寺町

写真: 拡大

●笠寺猩々保存会

 10月14日、名古屋・笠寺であった七所神社の例大祭を訪ねると、異様な光景が広がっていた。2メートルを超す赤い顔をした大人形が、あちこちでのそりのそりと歩いているのだ。にやりと笑う目が、ちょっと怖い。

 その名は「猩々(しょう・じょう)」。山車やみこしの前を先導してまちを練り歩いたり、熱田神楽を奉納する神社の境内を歩き回ったり。子どもを見つけては、追いかけて驚かす。「尻をたたかれると、その子は1年間病気にならないと言われています」と笠寺猩々保存会の久野充浩会長(50)が説明する。

 猩々は中国の想像上の動物。人の姿で赤い毛に覆われ、酒を好むとされている。日本では能の演目を通じて広まり、酒の神様として扱われることもある。名古屋市南部やその周辺では、地域の祭礼に猩々の大人形が登場するという独自の文化が伝わっている。

 保存会によると、猩々の大人形は250年以上前からあり、鳴海村(現在の名古屋市緑区)が発祥とされる。江戸後期に東海道や知多街道沿いの周辺の村々に広まったという。当時、両街道沿いは酒造業が盛んだったことに関係があるらしい。

 猩々人形は竹と紙で作られる。この地域でも明治から昭和にかけて猩々作りの職人がいたが、時代とともに衰退。各町内に1体はあったという猩々も老朽化し、次第に祭りの場から姿を消していった。

 これに危機感を持ったのが久野さんだった。約20年前から、子どものころの記憶を頼りに猩々の作り方を研究し、古くなった人形の修理を手がけるようになった。「昔は当たり前のように猩々があった。祭りになると、追いかけたり、追いかけられたりして本当に楽しかった」

 2005年に仲間とともに保存会を結成。修理の傍ら、ほかの地域の祭りに人形とともに出向いて猩々を知ってもらったり、地元の子どもたちに人形の作り方を教えたりする活動も続けている。

 「一閑(いっ・かん)張り」と呼ばれる古来からの製法にこだわる久野さん。本業は運送業だが、これまで7体の人形を自作し、地域になくてはならない猩々職人になった。各地から修理依頼が殺到し、現在は1〜2年待ちの状態という。「猩々とは子どもも親も隔たりなく楽しませてくれるもの。この地にしかない大切な文化を次世代へつないでいきたい」(中野龍三)

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