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ぐるり東海(7)【笠寺通信】

市民発掘 過渡期迎え中止

写真:住居跡観察舎で弥生時代の竪穴住居について説明する竹内学芸員=名古屋市南区見晴町 拡大住居跡観察舎で弥生時代の竪穴住居について説明する竹内学芸員=名古屋市南区見晴町

写真:2016年にあった市民発掘。市民自らが掘り、図面や写真などで記録する=名古屋市南区見晴町、市見晴台考古資料館提供 拡大2016年にあった市民発掘。市民自らが掘り、図面や写真などで記録する=名古屋市南区見晴町、市見晴台考古資料館提供

写真: 拡大

●見晴台遺跡

 笠寺公園(名古屋市南区見晴町)にある見晴台(み・はらし・だい)遺跡は、旧石器時代から室町時代にかけての遺跡。50年以上にわたって市民参加で発掘調査が続けられ、全国でも例を見ないという。ところが、今年度、初めて自主的に調査が中止になった。なぜなのか。

 公園の高台の上にある市見晴台考古資料館で昨年度までの3年間、見晴台遺跡の第55〜57次調査があった。約40年前に現在の資料館の下で見つかった2本の溝跡が、弥生時代の墓である方形周溝墓の溝かどうかを確認するのが目的だ。

 周辺にあたる建物東側の発掘調査で新たに溝が見つかったが、方形周溝墓と確定させるまでには至らなかった。さらに、近くから「くの字」形の新たな溝も出土。埋められた土器の特徴から、より新しい時代に別の方形周溝墓があった可能性も浮上した。

 集落の中に墓があったのか、謎は深まる。「掘れば掘るほどわからなくなる遺跡。市民が本物に関われるのはここしかない」と資料館の竹内宇哲(たか・あき)学芸員(58)は力を込める。

 弥生時代の環濠(かん・ごう)集落で知られる見晴台遺跡は、長年、市民の手によって発掘調査がされてきた。公園整備が進んでいた1964年、遺跡保存の重要性を訴えた郷土史家など市民らが中心となって調査を始めたのがきっかけだ。

 その後、教員や学生らの参加者が増え、79年に資料館が開館すると、資料館が市民から参加者を募って調査するようになった。主に夏の約1カ月間、中学生以上を対象に行われ、地面を掘るだけでなく記録などもする。初心者からベテランまで、毎年延べ約500人が参加するという。

 だが、50年以上にわたる膨大な過去の調査結果が十分に整理できていないため、資料館は57次を最後に、今年度の調査を実施しなかった。資料館として初めての判断だった。

 背景には人員不足もある。資料館の学芸員はピーク時は12人いたが、市の事業見直しに伴い徐々に削減。5年前には2人まで減り、3年前からは竹内さん1人になった。発掘調査では複数のスタッフがサポートするが、参加者に目が行き届かず、的確な記録ができない懸念も出てきた。

 「市民が守り育ててきただけにやめられなかった。しかし、考古学にならない発掘は遺跡を破壊するだけになってしまう」と竹内さん。成果を十分に整理せず、課題を見つけないままに発掘を続けるのは難しいと指摘する。来年度以降の再開は未定という。「次に向かっていくために一度見直す必要がある。市民発掘はいま過渡期にある」と話す。(中野龍三)

【見晴台遺跡】 1941年に全国2例目の銅鐸(どう・たく)形土製品が出土し、遺跡の存在が知られるように。戦後の調査で、東西約160メートル、南北約180メートルの弥生時代の環濠集落であることがわかった。旧石器時代の石器や太平洋戦争時の高射砲陣地跡なども出土している。笠寺公園内には調査成果を展示する資料館のほか、弥生時代の竪穴住居跡が見学できる観察舎や再現した濠もある。

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