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安保って? 憲法って?

「9条が争点」言い続ける

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◆憲法改悪反対県センター代表 虻川高範さん(58)

 政府は長年、「集団的自衛権行使は憲法違反」と言い続けてきたのに、2014年7月1日、閣議決定でその解釈を変えてしまいました。

 石川健治東大教授は、これを「クーデター」と呼んでいます。民主的手続きを踏まず、憲法を乗り越えてしまったからです。

 憲法9条2項は「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」と定めています。この規定と整合性を保つため、自衛隊は自衛のための最小限の実力でなければならないとされてきました。集団的自衛権は、そのぎりぎりの線を越えてしまいます。

 「法律家は現実を知らない」「国際政治には抑止力が必要だ」などと言われますが、抑止力の理論だけでは、歯止めのない軍拡競争になってしまいます。

 しかも、集団的自衛権を容認するための論理として、安倍政権は砂川判決(1959年)を持ち出しました。この事件では在日米軍の駐留の合憲性が問われ、最高裁は「国の根幹にかかわることは、一見明白に憲法違反でない限り、法的判断ができない」という考えを示しました。いわゆる「統治行為論」を示した判決として知られており、自衛隊の集団的自衛権について言及したものではありません。

 憲法改正のハードルはすごく高いのに、一内閣の解釈改憲で実質的に同じことができてしまうのは危険です。徴兵制について、安倍首相は「憲法18条が禁止する『苦役』にあたるから違憲」と否定しましたが、徴兵制は苦役ではないと考える政治家もいます。憲法解釈の変更だけで、いずれ徴兵制も認められるようになる恐れもあるわけです。

 現状はまだ、集団的自衛権行使の「一部容認」です。フルスペックの集団的自衛権ではないので、安倍首相は9条改憲をめざしています。1、2月の頃は、改憲への意欲を盛んに示していました。

 しかし参院選が近づくと、「消費増税延期の信を国民に問う」などと言いだしました。2年前の衆院選と同じです。アベノミクスを争点として前面に出して選挙を戦い、その後は安保法制を推し進めました。参院選に勝てば「憲法改正に国民の信を得た」と言うでしょう。

 安保法制への関心は、昨夏の法案審議の頃に比べて低くなっています。だからこそ、安保法案が参院で可決された昨年9月19日にちなみ、私たちは毎月19日、秋田駅前でデモや集会の街頭活動をしてきました。「9条を変えるか変えないかが、大きな争点です」と言い続けます。

(聞き手・曽田幹東)

―虻川高範―

 大館市出身。1984年から弁護士。生活保護を巡る裁判や行政裁判など様々な案件を手がけてきた。元秋田弁護士会長。日弁連人権擁護委員会副委員長、憲法改悪反対県センター代表。

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