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海峡往来真発見

日韓で似通うヤキウドン 八田靖史

写真:韓国の「ヤキウドン」 拡大韓国の「ヤキウドン」

写真:とんこつラーメンを思わせる「コギグクス」 拡大とんこつラーメンを思わせる「コギグクス」

写真:八田靖史さん 拡大八田靖史さん

◇韓国料理ライター・八田靖史

 焼きうどんという料理がある。

 家庭でもよく作られる料理だが、発祥の由来をたどってみると、福岡県北九州市の小倉で生まれたというのが有力な説のひとつらしい。そういえば地元の友人に連れられて、中央に目玉焼きを配した「天まど」と呼ばれる焼きうどんを食べたことがある。見た目が、天窓から見る月に似ることから、そう呼ぶのだと説明を受けた。

 実は韓国にも「ヤキウドン」という料理がある。

 中東部の都市、大邱(テグ)の郷土料理で、エビやイカなどの魚介をふんだんに用いたピリ辛の炒め麺だ。地元の老舗中華料理店が考案したもので、いまでは大邱を代表するB級グルメとして広く定着している。

 料理名が日本語風なのは、もともと韓国の中華料理店に日本語が多く残っているため。焼き餃子(ぎょうざ)のことは「ヤキマンドゥ」、海鮮入りの汁麺を「ウドン」と呼ぶため、これらを掛け合わせて新メニューの名前にしたところ、日本の焼きうどんとほぼ共通する発音となった。

 このように、日韓でどこか似通う麺料理はほかにもある。

 南東部に位置する慶尚南道宜寧郡(キョンサンナムドウィリョングン)では「ソバ」という名前の郷土料理が親しまれている。これは日本統治時代に日本でそばの製法を学んだ人が宜寧へと戻り、韓国人向けにアレンジを加えながら作ったものだ。

 そば粉麺に汁をかけて味わうという点で共通するが、煮干しだしの汁にはコショウや粉唐辛子が利き、具には牛肉の醬油(しょうゆ)煮、ホウレンソウ、キャベツ、モヤシがのるなど、料理名以外はだいぶ現地化している。

 南部の島嶼(とうしょ)地域である済州道(チェジュド)には「コギグクス」という料理がある。コギは肉、グクスは麺。豚骨を煮出したスープに小麦粉麺を入れたもので、具にはスライスした茹(ゆ)で豚などがのる。こちらは料理名こそ韓国語だが、実際に食べてみると、日本人としてはとんこつラーメンを連想せざるをえない。

 しかも、地元民からこよなく愛されており、皆がそれぞれに行きつけの店を持っている。とんこつラーメンに「似ている」と書けば、もしかすると思い入れの強さいかんでは、ご批判をちょうだいするかもしれない。だが、地元麺について「あの店はどうで、この店はこうで、やっぱりどこそこの店が一番だな」と熱を込めて語る姿は、日本のラーメン好きに間違いなく似ている。

 麺料理のみならず、日韓にはこうした共通性の多い料理がたくさんある。よく似た部分を発見し、違いは違いとして楽しむ。それが隣国の食と向き合う、何よりの楽しさではないかと思う。

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