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海峡往来真発見

醤油ダレでも「シオヤキ」 八田靖史

写真:(上)(下)醤油ダレなのに「シオヤキ」。韓国・清州式サムギョプサル(豚バラの焼き肉) 拡大(上)(下)醤油ダレなのに「シオヤキ」。韓国・清州式サムギョプサル(豚バラの焼き肉)

写真: 拡大

写真:八田靖史さん 拡大八田靖史さん

 ◇韓国料理ライター・八田靖史

 「福岡で『焼きとり』と言えば、『豚バラ』である」

 そんな話を聞いて、最初は何かの間違いかと思った。だが、福岡在住の友人に確認しても、その通りだと言う。どうやら福岡あたりでは、鶏肉のみならず、豚肉、牛肉、魚介、野菜なども含めて串焼きを「焼きとり」と総称するとのこと。中でも人気が高いのが豚バラであるという。

 北海道の室蘭では、焼きとりを豚肉とタマネギで作り、埼玉の東松山では豚のかしら肉を用いる。鶏肉以外の焼きとりは少なからずあるようだ。言葉としては不思議なことだが、料理の世界にはままあることだ。

 そんな体験が、先日、足を運んだ韓国の清州(チョンジュ)という町でもあった。

 清州は韓国の中央部に位置する忠清北道(チュンチョンブクト)の道庁所在地であり、人口は約83万人と韓国でも規模が大きい。ソウルから高速鉄道のKTXに乗って40〜50分、釜山からは1時間50分前後。市内には清州国際空港があって、現在は関西国際空港からの直行便が週3便就航。7月21日からはそれが毎日となり、日本との距離感がぐっと近付いている町だ。

 そんな清州で地域の名物料理を尋ねたところ、「サムギョプサル」という答えが返ってきた。

 日本でも韓流以降ずいぶんと有名になった豚バラの焼き肉。市内には「サムギョプサル通り」と呼ばれる一角があり、専門店がずらり立ち並ぶ。しかも単なるサムギョプサルではなく、清州ならではの特別な焼き方があるという。

 ショウガ、タマネギなどを加えた醤油(しょうゆ)ダレを用意し、これに浸してから鉄板で焼くのが清州式。下味をつけるとともに、豚肉の雑味を取るとの理由があるそうだ。サムギョプサル通りに店を構える「忠州(チュンジュ)トルグイ」では、7種類の漢方材を加えて煮込んだ醤油ダレを自慢としている。「健康を意識する時代になり、漢方材を用いるところが増えた」と、金相敦(キムサンドン)社長は説明する。

 興味深いのは、サムギョプサルを含め、醤油ダレに浸す豚焼き肉全般を、清州では「シオヤキ」と呼ぶことである。日本語に訳して塩焼きではなく、韓国語でそのまま「シオヤキ」と発音する。

 清州は日本統治時代に大勢の日本人が移り住んだ地域で、その名残として日本語が残っているようだ。「シオヤキ」という呼び方を、若い世代では知らない人もいるが、40〜50代以上であれば普通に使う。近年は清州ならではの食文化として、わざわざメニューに加える店も増えている。

 しかし、醤油ダレに浸して焼くのに、なぜ「シオヤキ」なのか。残念ながら現地でも明確な由来は不明とのこと。これもまた料理の世界にままあること、の一つだろう。

 (次回の筆者は俳優の黒田福美さん。30日の掲載を予定しています)

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