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海峡往来真発見

B29、歴史が垣間見える 黒田福美

写真:韓国・泗川市の航空宇宙博物館に展示されているB29 拡大韓国・泗川市の航空宇宙博物館に展示されているB29

写真:黒田福美さん 拡大黒田福美さん

 ◇俳優・黒田福美

 韓国に親近感を持つ九州・山口の方々にとって、地理的にも心情的にも近いのは慶尚道地域ではないだろうか。

 とは言っても、釜山、慶州、西は晋州あたりまでがせいぜい知られた観光地かもしれない。

 今回、その晋州からもう一歩南に下がった南海岸沿いの都市、泗川市にある「航空宇宙博物館」をご紹介しよう。

 泗川には日本併合時代に日本軍の飛行場があった。後に韓国空軍基地がおかれたため、地方の小都市ながら、いち早く国内線の泗川(晋州)空港が開設された。その後、泗川は韓国の航空産業を支える都市として発展してきた。

 泗川空港に隣接した航空宇宙博物館は航空ファンなら垂涎(すいぜん)もの。そうでなくとも、半島の歴史が垣間見える個性的な展示がなされている。

 広い敷地に陳列された航空機など二十余機の中で、ひときわ大型の「朴正熙大統領専用機」は内部が公開されている。また韓国初期の小型偵察機から、KAI(韓国航空宇宙産業)の開発した韓国製航空機や軍用ヘリコプター、米国製のグラマンやB29などの戦闘機、エアフォースといった輸送機が居並び、圧巻だ。

 ことに私たち日本人を悩ませ、その恐ろしさを伝え聞いたB29を目の当たりにしたときは「これか……」と絶句した。B29は主にアメリカ・イギリスの二十数箇所に展示されているほかは、韓国のこの博物館にしか展示されていない。

 飛行機からヘリコプターや戦車、また火砲としては「北に向けて屹立(きつりつ)している」というミサイルなど、それぞれに物語がある。ぜひ解説士の方をお願いして見学することをお勧めしたい。

 博物館内では、朝鮮戦争時の生々しい遺物が展示されているほか、当時の貴重な記録フィルムを見ることもでき、平和を祈念するうえで私たち日本人にも胸にしみる内容だ。

 太平洋戦争時、日本国内での飛行訓練がままならなくなると、飛行兵は満州で訓練を受け、途中、この泗川で燃料を補給して日本へ向かったという。

 特攻兵たちの中には、日本兵として散った朝鮮人兵士がいたことも私たちは忘れてはならないと思う。しかし、祖国韓国では親日派のイメージが強く、残念ながら同胞が彼らを今もむち打つ。

 日本人として亡くなった朝鮮人兵士らを、民族も思想も宗教も超え、「時代の犠牲者」として弔いたいと願った私は10年前、この泗川に慰霊碑を建立するも、石碑は反対派によって撤去された。翌年、ソウル郊外のさるお寺が受け入れてくださった。

 韓国では「非業の死を遂げた人を弔う意味もある」という旧暦9月9日の「重陽節」に毎年法要を続けて、はや10年の歳月が流れた。今年は新暦で10月17日。11年目の法要が近づく。

 私はこのいきさつを一冊にした。『それでも、私はあきらめない』(ワックBUNKO)だ。お手に取っていただけたら嬉しい。

 (次回の筆者は韓国料理ライターの八田靖史さん。29日の掲載を予定しています)

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