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PTA、脱強制への道

写真:柳西中のPTA総会に父母や教師らが集まった=北九州市門司区 拡大柳西中のPTA総会に父母や教師らが集まった=北九州市門司区

写真:志免中央小学校PTAのホームぺージ。行事のボランティアを随時募集している 拡大志免中央小学校PTAのホームぺージ。行事のボランティアを随時募集している

 ■「できる時に無理せず」生き残りを模索

 強制参加や重い負担が敬遠されがちなPTA。そのあり方を見直す動きが県内で出てきた。本来、加入が「任意」であることを明確に打ち出したり、役員に代わるボランティア制度を導入したり。各組織を束ねるPTA協議会から脱退する動きもある。「PTAが生き残るための試み」と関係者は訴える。

 北九州市門司区の柳西中学校(415人)は、任意加入の制度化を昨年度に試行し、今年度から本格的に導入した。

 学年の初めに、「加入します」「加入しません」のいずれかに○をつける文書を配り、提出してもらう。今年の新入生は120人で、入らなかった保護者は数人。加入率は2年続けて9割を超えた。

 役員や各種委員も廃止した。代わりに通年で関わるワンイヤーボランティアと、行事がある日に出て来るワンデイボランティアを募る。従来の役員にあたるワンイヤーは40人いる。

 6日午後7時、柳西中の校舎の1室に保護者や校長らが集まった。「ふれあいトークは、学校行事の講演会と兼ねてやりましょう」「体育大会のガードマンは手配済みです」。2学期にある体育大会や文化活動発表会などの行事でPTAが行う活動を、井出琢也代表(42)が確認していった。

 この日はワンイヤーの集まりで出席は40人のうち17人だったが、「できる人ができる時に無理せずやる、がモットーですから」と井出代表。約2時間の会議はなごやかに進んだ。

 業務も見直した。文化活動発表会でやってきたバザーは廃止。学校側から求められる発表会での校舎警備は、ガードマンを雇うことにした。市教委の予算で年数回開くことになっている保護者向けの講演会は、学校行事と兼ねて開催する。

 ワンイヤーを務める母親(45)は「時間が束縛される以前のPTAは抵抗があった。今の態勢なら自分もできるかなと思った」と話す。

 3年生の子を持つある母親は2年前、役員を務めた。「取り組み自体はいいことだけど、今までは何だったの、という戸惑いが大きい」と複雑な表情だ。

 見直しを提案したのはPTA前代表の男性だ。入学式の後、体育館のドアが閉じられて始まる役員決めで、就任を拒んで泣き出す親もいる光景に強い違和感を覚えた。

 「役員を一度はやることになっている」というのが執行部の決まり文句だったが、会則に書かれているわけではない。保護者は自動的にPTAに加入し、会費も口座から引き落とされたが、入会の仕組みや会費徴収の規定もなかった。会則を改め、入退会は「自由意思に基づく」と明記した。

 任意加入制度は九州では先駆的だが、全国では珍しくない。他地域から来た保護者らから「強制はおかしい」と異議が出たら返す言葉はないと前会長は言う。

 実際、熊本市の保護者が「入会の申し込みをしていない」として会費の返還を求め、PTAを提訴した裁判があった。2017年に高裁で和解し、入退会の自由をPTA側が保護者に周知するよう努めることが条項に盛り込まれた。

 ボランティア制度など、柳西中がモデルにしたのが志免町の志免中央小(928人)のPTAだ。16年度のアンケートで保護者の7割が共働きの家庭と分かり、平日の昼間の業務が多いPTAの変革に踏み出した。一方で「活動の意義や楽しさを知った上で入会について考えてほしい」と、任意加入制度は数年先に検討するという。

 北九州市八幡西区の折尾西小(502人)のPTAは、昨年度限りで市PTA協議会を脱退した。任意加入の制度導入をめざす中での決定という。

 大久保無我会長は「協議会への加入によって発生する動員や費用の負担は大きい。これをなくさないと、任意加入制度に移行できないと判断した」と説明する。そのうえで、「組織の意義や信頼性を高めて入会率を確保する。それがPTAを守ることにつながるのではないか」と語る。

 ■「時代に合わせて」進む対応

 北九州市PTA協議会は昨年度、任意加入の問題について役員会や理事会で対応を協議してきたという。取材に対し、制度の導入をめぐる懸念は「ない」とする一方、「子どもたちの教育環境を整えることが我々の使命」と文書で答えた。

 福岡市PTA協議会は、小中学校のPTAから「任意加入の問題を保護者にどう説明すればいいか」との相談が増えてきたことを受け、昨年度にこの問題を議論する特別委員会を設置。協議会としての考えを「Q&A」にまとめた。

 「入会しない」「退会したい」という保護者には理由を尋ねた上で、活動の意義を説く一方、「任意団体」であると明確にすることを促す。入会の意思を確認する文書のひな型なども示している。西方俊司会長は「PTAは必要。時代にあったやり方に合わせていかなければいけない」と話す。(奥村智司)

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