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酒よ【高く、高く】

(8)「名プロデューサー」プロの魂

写真:従業員の佐藤広幸さんと面談する佐藤広隆社長=郡山市 拡大従業員の佐藤広幸さんと面談する佐藤広隆社長=郡山市

 郡山市にある酒販店「泉屋」は、市民のオアシスとして親しまれている開成山公園の近くにある。客が10人も入れば窮屈になる、小さな店だ。

 2代目社長の佐藤広隆(47)は、いまの日本酒ブームの火付け役となった山形の酒

「十四代」の売り出しに深く関わった存在として知られる。まだ25歳のときだ。のちに福島を代表する酒となる「飛露喜」「会津娘」「寫楽」だけでなく、三重の「而今」、山口の「貴」といった全国の銘酒の飛躍も後押しした「名プロデューサー」だ。

 10月31日夜。店の2階の小部屋で、広隆は入店10カ月目の社員、佐藤広幸(30)と向き合っていた。月末の給料日恒例の面談だ。広幸が翌月の目標を述べる。「研修では、どんな思いで酒が造られているかの勉強になりました。11月はそれを意識してお客様に伝えていきます」

 毎年の研修先は蔵元で、今年は8人の従業員で青森の「田酒」、宮城の「乾坤一」、岩手の「南部美人」と三つの銘酒の蔵を回った。給与明細袋には必ず、ひとり一人にパソコンで打った手紙を入れる。初めて社員を雇った13年前から続けるスタイルだ。

 「10月、お疲れ様でした(略)我々は『売る』プロであると同時に多くの方々に和酒の素晴らしさを伝える『伝道師』(略)震災の時に書き留めた言葉を思い出しました。心を癒やし、家族や仲間との絆を強める。それが酒本来の姿だと気付きました。人が生きるために酒は無用かもしれない。しかし、もう一歩踏み出すために旨い酒は力になる(略)佐藤君へ。人に伝えるために努力をしなさい。自分自身のファンづくりに汗しなさい。いよいよ年末モード突入です!誰よりも元気に!毎日が勝負」

 広隆が社員に求めるのはプロの接客だ。「仕立屋のような接客をしないとダメだ。人は同じではない。好みも懐具合も違う。お客にできる限りのことをして満足してもらうのがプロの仕事だ」。泉屋で働く前に修行した東京・四谷の名酒販店「鈴傳」の主人、磯野元昭(故人)の教えだ。

 1999年に飛露喜が誕生する年も前から、広隆は第一線にいた。酒造りを始めたばかりの廣木健司(48)をテレビで見て「福島らしいダメな蔵」と感じるのも当然だった。

 その2人が偶然知り合う。=敬称略(岡本進)

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