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酒よ【高く、高く】

(11)同い年の「十四代」にうなる

写真:青学地酒研究会の東海林伸夫(左)、廣木健司(中央)、佐藤広隆の3人=喜多方市 拡大青学地酒研究会の東海林伸夫(左)、廣木健司(中央)、佐藤広隆の3人=喜多方市

 「飛露喜」の廣木健司(48)、「奈良萬」の東海林伸夫(46)、酒販店「泉屋」の佐藤広隆(47)。東京の青山学院大学を卒業し、社会人になっていた3人は1999年6月、会津若松市の居酒屋で初めて顔をそろえた。

 実は、その前に廣木は広隆と顔を合わせている。父、健一郎の代から造る「泉川」を郡山市にある「泉屋」に売りにいったときのことだ。

 初代社長、佐藤隆三との商談中、前掛けをした息子の広隆が店の奥から出てきた。自分には目もくれない広隆に、廣木の心証は悪かった。「泉屋はそもそも自分にとってハードルが高く、店に入るだけで緊張した」。そう振り返る。

 閉店後、広隆は泉川を試飲したが、「何も印象に残らないふつうの酒だった」。廣木と会ったことは、覚えてもいない。

 すでにそのころ、広隆は日本のトップを走る酒の立ち上げに深くかかわっていた。酒好きなら知らない人はいない「十四代」である。山形県村山市の酒で、造り手の高木顕統は広隆と同い年だ。

 2人が知り合ったのは偶然だ。広隆が東京・四谷にある酒販店「鈴傳」で修行していたとき、鈴傳が出す立ち飲み屋でいつも酔っ払っているカメラマンに言われた。

 「お前と同い年のやつがクイーンズにいて、山形に戻って酒を造る。おれは1年間、彼を追っかけて撮る。お前も同じ東北だから、彼の酒を頼むぞ」

 それが高木だった。勤め先の新宿の高級スーパーマーケット「クイーンズ伊勢丹」は、鈴傳と地下鉄で3駅しか離れていない。

 ただ、このときは会わないまま、広隆は93年6月、郡山の実家に戻る。翌年の5月、今度は山形県天童市にいる鈴傳時代の兄弟子から声がかかる。

 「鈴傳の弟弟子が『東北を回りたい』とやってくる。天童で集まらないか」

 その飲み会に、近くに蔵がある高木も急きょ招かれた。広隆は、高木が持ってきた1年目の酒に驚いた。「同い年なのに、こんなうまい酒を造れるのか」。泉屋に戻ると、父親に「すごい酒がある」と取引を薦めた。

 あのカメラマン、名智健二が撮った「ある酒蔵の物語」が新潮社の月刊誌「シンラ」に掲載されたのは、その年の9月だ。十四代は爆発的にヒットする。=敬称略(岡本進)

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