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酒よ【高く、高く】

(13)蔵元と酒販店 パートナーに

写真:泉屋で接客する佐藤広隆さん=郡山市 拡大泉屋で接客する佐藤広隆さん=郡山市

 いまの日本酒ブームを引っ張ってきた銘酒「十四代」。その存在を一気に全国区にしたのが、1月以外、季節と無関係に出荷される十四代の定番酒「本丸」だ。

 まだ「本丸」の名前が決まらないころ、郡山市にある酒販店「泉屋」の佐藤広隆(47)は造り手の高木顕統(47)にたった一つのことを伝えた。「十四代を超える名前でないと人の印象には残らない」

 酒の売れ行きすら左右しかねない命名で、意見を求める。それほど、高木にとって広隆のひと言は重い。蔵で酒造りを手伝わせたのも、広隆のほかには「東洋美人」(山口県萩市)を造る澄川宜史(42)だけだ。高木は言う。

 「広隆がいたから僕はここまで来られたし、僕がいなかったら広隆もここまで来られなかっただろう。彼とは馬が合い、たまたま買った腕時計が『それ、同じじゃないか』となったことが3回もある」

 広隆を信頼したのは、気が合ったからだけではない。

 「酒を造るにも売るにも、昔からの地酒の流れを知らなければならない。広隆のお父さんの隆三さんは、地酒が売れない時代からの先駆者。その経験を広隆に教え込み、広隆もよく勉強していた」

 年間の出荷スケジュールや取引先まで、高木は広隆の意見に耳を傾けた。いまも新商品を出すときは真っ先に相談する。「彼から『OK』という言葉を聞きたい。ようは、背中を押してもらいたい」

 2人が「十四代」を造る以上に、日本酒業界にもたらした大きな「産物」がある。「蔵元と酒販店がパートナーとして酒を造って売る」という新しいモデルだ。

 もともと蔵元には地元の名士が多く、酒販店が口出しなどできなかった。一方、東京の名だたる酒販店からすれば、地方の蔵元は「酒を店に置いてやる」という程度の存在になりがち。若い2人がたまたま同い年だったことで「タッグを組んで成長していく」ことが可能になった。

 広隆は父、隆三から「蔵元と深い関係になれるのは一生に1回あるかないかだ」と言われたことがある。だから思っていた。「自分は早い段階で経験してしまったから、もうないんだなろうな」と。

 その予想を破ったのが「飛露喜」を造る廣木健司(48)との出会いだった。=敬称略

(元日からは特別編として女性をめぐる物語を取り上げます。このシリーズは来月15日から再開します)(岡本進)

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