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酒よ【高く、高く】

(14)蔵の成長「定番酒が必要」

 郡山市にある酒販店「泉屋」の佐藤広隆(47)が廣木酒造本店の廣木健司(48)と深くつきあうようになったのは2000年。「飛露喜」が誕生して2年目だった。

 県外のある同業者から、こう言われた。

 「廣木さんに、あなたが十四代とやったことを教えてあげてくれないか」

 十四代(山形県村山市)は1993年に一躍、人気の酒となった。造り手の高木顕統(47)とともに成長させたのが佐藤だった。

 頼まれた同業者が誰なのか、佐藤は明かさない。そもそも「飛露喜」を扱っていたわけでもない相手がなぜ自分に頼んできたのか、いまだにわからないという。

 それでも佐藤は翌日、廣木に電話をかけた。他人から自分の酒造りについてとやかく言われたくない、という蔵元はたくさんいる。同じ青山学院大学OBとして一度飲んだだけの廣木がそんな反応だったら、会わないつもりだった。

 だが、電話口で廣木は言った。「ぜひお願いします」

 会津若松市の和食店の個室で2人は向かい合った。

 「剣菱」などの灘(神戸市)の酒から始まり、その後、一世を風靡する新潟の地酒、「磯自慢」など静岡の酒……。そこに至るまでの日本酒の歴史に加え、有名蔵の生産量、東京の酒販店の派閥と、佐藤は自分が知っている話をすべて伝えた。

 そして、肝心な話をした。

 「無濾過生原酒だけではダメです」

 当時、無濾過生原酒は飛露喜の代名詞だった。加熱しないため、出荷は冬場中心になる。それだけを造るよう廣木に求める東京の酒販店もいた。

 しかし、十四代の成功は1年目の生酒ではなく、季節と無関係に出荷する「本丸」を2年目に造ったことにあると、佐藤は確信していた。

 「冬に出す生酒だけでなく、常時出せる定番酒がないと客はつかない。200石程度の小さな蔵元で終わるのですか。千石レベルまで伸ばしていきたいのなら、機関車として引っ張っていく定番酒が必要です」

 佐藤はさらに、山形にいる高木のもとに廣木を連れていく。=敬称略(岡本進)

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