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みちのく経済【見聞録】

お盆、亡き人に寄せる思い

 怖い話は苦手だ。そんな私が怪談を聞きに行ったのは、告知記事を書いたときに聞いた「救われる文学」という言葉が気になったからだ。

 会場は宮城県東松島市の古民家。電気が消された部屋は闇に包まれ、庭園の木の影が怪しく浮かぶ。でもそこは、温かさに満ちていた。

 宮城県石巻市出身の役者、芝原弘さんらが読んだのは、東日本大震災にまつわる怪異譚。東北の作家が聞き、体験し、創作した45編を集めた「渚にて あの日からのみちのく怪談」(荒蝦夷)から選んだ。

 わが子の幽霊話を聞いた父親は「幽霊でも怨霊でも祟りでも、皆この町に居ればいい」と言った。「母はなぜ出てきてくれないのか」と怒る男性の前に現れた白い人影の口元は、「ごめんね」と動いた。逝った人、残された人。愛する人へのそれぞれの思いがこもっていた。

 もうすぐお盆。生者と死者の距離が近くなる。どんな形でもいい。昨年亡くなった祖母に私も会いたい。

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