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09月16日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

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東日本大震災 7年

甲状腺がん検査の課題(2)

写真: 拡大

 ●不利益認識し問う必要/国立がんセンター・社会と健康研究センター 津金昌一郎センター長

 ―甲状腺検査についてどう考えるか

 がん検診の最大の利益は早期にがんを見つけて死亡を減らせることだが、甲状腺がんは予後が良く、寿命に影響しない場合もあり、効果は極めて限定的だ。

 福島では、住民の安心が得られることも重要だ。だが精密検査の対象にならないものの、半数の人でごく小さな結節やのう胞が見つかっており、かえって不安を抱かせる結果になった。

 ―検査にはどんな不利益があるか

 悪化して症状が出たり、命を脅かしたりすることのないがんを見つける過剰診断だ。韓国では検診の普及で大人の甲状腺がんが大幅に増えたが、死亡者の割合はほぼ変わらなかった。子どもではわからない部分もあるが、福島でこれだけ多くがんが見つかるのも過剰診断と考えるのが自然だ。

 日本も一時期、小児がんの一つの神経芽腫の検査を乳児にしていた。だが海外の研究で効果が否定され、不必要な手術が生じているとして休止した。その後、患者は減ったが、死亡者は変わらなかった。

 ―被曝の影響を見極めることはできるのか

 今の枠組みのままで、影響を正しく評価できるのかという問題がある。被曝との因果関係を明らかにするにはデータの偏り(バイアス)を排除しないといけない。だが被曝の影響を心配する人ばかりが検査を受ける状況では、客観的な評価はできにくくなる。

 ―今後、検査はどうしていくのがよいか

 これまでと同じやり方で4巡目を実施するのはどうなのか。検査にはかなりの不利益がついてまわることを認識すべきだ。被曝の影響評価の客観性が失われつつある現状では、検査のあり方をもう一度議論すべきではないか。

 ◆つがね・しょういちろう 県民健康調査検討委員。専門はがんの疫学。1981年、慶大医学部卒。86年、国立がんセンター研究所(現・国立がん研究センター)研究員。がん予防・検診研究センター予防研究部長などを経て、2016年から現職。

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