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東日本大震災 7年

甲状腺がん検査の課題(3)

写真: 拡大

 ●学校検査 倫理的に問題/阪大院医学系研究科講師 高野徹氏

 ―「甲状腺検査は医療倫理的に問題だ」と検討委員会などで指摘している

 医学研究には、被験者の自己決定権が守られなければならないとの原則がある。つまり、検査を受けるか受けないかを自由に選べる権利だ。これは、医学が守るべき倫理的な原則で、世界的に約束されている。

 甲状腺検査では、特に小学校から高校で行われている学校検査が問題で、今は授業の時間に検査が行われている。検査場所に皆が行く時に「行かない」と言えば、取り残されることになる。子どもには圧力だ。親の同意書があるので問題ないという議論もあるが、強制力がある検査だと言われても仕方がない。

 ―検査をどのようにすべきか

 学校検査は例えば授業時間の後にするなど、検診をより自由に受けたり受けなかったりできるよう見直すべきだ。その上で、検査を受ける人やその保護者に、検査の不利益も含め十分に説明するようインフォームド・コンセント(十分な説明と同意)の手続きをいち早く見直す必要がある。それではじめて子どもたちの権利が守られる。

 ―受診率が下がるのでは

 受診率が下がるからといって、倫理面をきちんとやらないのは大変な問題だ。非常時だった事故直後に始まり、そのままになっているのだろう。現場の先生にしわ寄せがいっている。

 しかも、今の超音波による全員検査は、生涯にわたって症状が出ず治療が不要ながんを見つけてしまう過剰診断の被害がある。

 ―甲状腺検査はやめた方が良いということか

 そうではない。それでも不安で受けたいという人が必ずいる。県がやめると、自分で探して無制御な超音波検査を受け、さらに被害を受ける人が出てくる。現在の超音波による全員検査は避け、甲状腺医療の現場で行われているように、最初は専門医が触診すればよい。それで治療が必要な見つけるべきがんを見つけられるので、県民の不安にも応えることができる。(聞き手・奥村輝)

 ◆たかの・とおる 県民健康調査検討委員とともに甲状腺検査評価部会員。専門は、内分泌・代謝内科で甲状腺などの診察や検査。1994年大阪大院医学研究科修了。99年から現職。付属病院では臨床検査部副部長を務める。

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