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高校野球【「100回目の球児たち」】

「渡したくない」再び捕手に

写真:春の県大会2回戦で勝利し、チームメートと喜ぶ赤津成泰捕手(中央)=福島市の福島県営あづま球場 拡大春の県大会2回戦で勝利し、チームメートと喜ぶ赤津成泰捕手(中央)=福島市の福島県営あづま球場

 ●磐城 捕手・赤津成泰君

 「捕手をやめさせてほしい」。今年1月、磐城高校(いわき市)のキャッチャー、赤津成泰(なるやす)君(3年)は木村保監督(47)にそう切り出した。

 中1から捕手。昨夏は控え捕手としてベンチ入りした。だが、新チームが始動した直後の秋のいわき支部大会。正捕手として先発出場したものの、盗塁を許し、投球を後ろにそらすこともあった。

 続く県大会ではレギュラーを外れ、代わりに投手だった大久保雅史(まさし)君(3年)がマスクをかぶった。秋を乗り切るための緊急手段だった。

 大会の後、再び正捕手の座をつかもうと練習したが、一向に手応えがつかめなかった。そして、「自分に嫌気がさした」。自ら守備位置の変更を監督に申し出たのだった。

     □

 赤津君は磐城に入学当初、本塁から二塁への鋭い送球に一目置かれた。しかし、次第に送球が不安定になり、二塁にも届かなくなった。理由は分からない。周囲からは「しっかりしろよ」と叱咤激励の言葉が飛んだ。

 「どうしたらいいか分からなくてもがき、周りからは期待される。その中でいっぱいいっぱいになっていた」。木村監督は赤津君をそう見ていた。

 捕手をやめた赤津君は三塁手にまわり、ノックを受けた。マスク越しとは違うグラウンドの景色。新鮮で、気持ちがすっと楽になった。

 でも、他の選手が捕手をやっているのを見ると、心がざわついた。自分じゃない誰かが、あの場所に座っている。それがたまらなく悔しかった。「捕手がやりたい。誰にも渡したくない」

 ●消えた弱気「早く試合を」

 転向から1週間。赤津君は木村監督にもう一度捕手をやりたいと申し出た。木村監督は赤津君の表情を見て「おっ」と思った。吹っ切れた、明るい表情をしていたからだ。「頑張れよ」とだけ答え、再スタートへ背中を押してやった。

 練習を重ねるごとに、赤津君の送球に鋭さが戻っていった。本塁付近でバウンドする変化球もしっかり見て、体で止めた。

 捕手を一度やめるまで、どこか弱気な部分があった。その気持ちがプレーに表れていたと、今なら分かる。小山泰生(たいせい)投手(3年)は「低めの変化球もきっちり止めてくれる。日本一をめざすには赤津がキャッチャーじゃないと」と信頼を寄せる。

 23年ぶりの甲子園へつながる福島大会が始まる。「早く試合がしたい」。赤津君は自信にあふれている。

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