メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

09月18日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

新着記事一覧へ

このエントリーをはてなブックマークに追加

地方選【福島の針路 2018知事選】

内堀県政の検証(中)

写真:今夏、浪江町で復活した「相馬野馬追」の行列。壊れたままの建物の横をゆく=浪江町 拡大今夏、浪江町で復活した「相馬野馬追」の行列。壊れたままの建物の横をゆく=浪江町

 ●国と市町村「調整」に手腕

 予算と条例の提出権を始め、知事には絶大な権限が集中する。だが、権限が及ばずとも、知事が大きな役目を果たすことがある。それが「調整」だ。

 2017年春、浪江、飯舘、川俣、富岡の4町村で原発事故に伴う避難指示が、帰還困難区域を除いて解除された。

 国が出した避難指示の解除の判断は、国が行う。県に主体的な権限はなく、解除の区域や時期を国と協議する当事者は市町村で、首長たちの多くが頭を悩ませた。

 今年6月に亡くなった浪江町の馬場有前町長もその一人だ。国が提案した「3月31日」という解除日程を受け入れたのは昨年2月27日。直前まで逡巡した馬場氏の思いにひそかに耳を傾けていたのが内堀雅雄知事だったと関係者は明かす。

 「県の一番基本的なスタンスは、当該自治体の意向を最大限尊重すること」

 4町村の解除を控えた17年1月の記者会見で内堀氏は「調整役」としての立ち位置を明確にしていた。

 実際、解除時期などを巡る国と町村との会議には、県の事務方は参加したものの意見は表明せず、内堀氏が出席することは一度もなかったという。

 結局、県内では第一原発が立地する大熊、双葉両町を除き、国が示した「17年3月までに帰還困難区域を除く地域の避難指示を解除する」という意向に沿う形で避難指示が解除された。

 国と避難指示が出た自治体との間で、具体的に内堀氏がどのような利害調整をしたかは分かっていない。

 ただ、国と市町村が解除を巡って協議している間、県は被災地の帰還環境を整備するための「福島再生加速化交付金」を国に認めさせた。13年度から500億〜1千億円規模の交付金が原発被災地の生活環境や産業再開の環境整備のために拠出された。県幹部は「解除を進めることの引き換えに、国から引き出した交付金だ」と話す。

     ■     ■

 「何の問題もなく進んでいるように見えて、水面下では国と激しくやっている。国の仕組みについては相当よく分かっている」

 地方行政をつかさどる総務省出身の内堀氏を県幹部の一人はそう評する。

 16年に建設が始まった、除染で出た除染土を保管する中間貯蔵施設の受け入れをめぐっては、副知事時代の内堀氏が大きな役目を果たしたというのがもっぱらの評判だ。

 中間貯蔵施設の受け入れの可否を判断する権限は基本的に県にはなかったが、県は国に、県外での最終処分、交付金の拠出などの条件をのませた。条件を考案したのが内堀氏とされ、当初の1千億円規模は最終的には3千億円まで膨らみ、県と大熊、双葉両町は15年2月、中間貯蔵施設への汚染土搬入受け入れを容認した。

 原発事故に見舞われた福島では、これまで国が復興政策を主導するケースが多く、水面下で調整し、予算などを引き出す内堀氏の手腕は評価されてきた。

 だが、そうした政治手法は、政治過程が見えにくく、チェックが効きにくいという側面もある。県幹部は「知事の姿が見えないというのはそこに対立がないということ。知事は黒衣で良いと思う」と話すが、内堀氏に近い関係者は「いままでのようにブラックボックスではいけない。なぜそういう結論が出たのか、その過程を示さないとダメだ」と釘を刺す。

 福島が今後直面する課題には、県民を二分するような「痛み」を伴うものも少なくない。調整力だけでは、通用しない。(小泉浩樹)

PR情報

ここから広告です

PR注目情報

福島総局から

「福島アサヒ・コム」は朝日新聞福島版の記事から、最新のニュースや身近な話題をお伝えします。
福島総局へのメールはこちらへ

朝日新聞 福島総局 公式ツイッター

注目コンテンツ

  • 写真

    【&w】カカドゥの不思議な野鳥たち

    ノーザンテリトリー〈PR〉

  • 写真

    【&TRAVEL】遊び心満載の豪華客船

    船上でサーフィン?〈PR〉

  • 写真

    【&M】廃虚の朽ち果てていく美しさ

    「変わる廃墟展 2019」

  • 写真

    【&w】劇場鑑賞券を3組6名様に

    「&w」読者プレゼント

  • 写真

    好書好日旅するように異国料理を作る

    宮崎あおいさん初の料理本

  • 写真

    WEBRONZAカーシェア急拡大

    今日の編集長おすすめ記事

  • 写真

    アエラスタイルマガジンこれぞ手軽な手土産の大本命

    手土産に縁起のよい「虎家喜」

  • 写真

    T JAPAN未来を変えるコスメ 第2回

    全米で話題の「CBDオイル」

  • 写真

    GLOBE+注目は年齢差だけではない

    マクロン大統領夫人の実像

  • 写真

    sippo絶滅の危機に瀕するトラ

    生態は猫とほぼ同じ

  • 働き方・就活

  • 転職情報 朝日求人ウェブ