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地方選【選挙を歩いて−知事選編−】

被災地の学校存続 国が支え

写真:先生が出迎える中、スクールバスで登校する草野・飯樋・臼石小と飯舘中の児童生徒たち=飯舘村 拡大先生が出迎える中、スクールバスで登校する草野・飯樋・臼石小と飯舘中の児童生徒たち=飯舘村

 ●復興期終了後は…続く試行錯誤

 朝8時。校内の広い駐車スペースに大小12台のスクールバスが次々と滑り込んできた。

 まぶたが重く眠そうな子もいる。無理はない。最長で1時間も車に揺られるのだ。それでも、出迎えた先生の手のひらに元気にタッチし、子どもたちはモダンな校舎へと入っていった。

 今春、飯舘村で7年ぶりに授業を再開し、同じ校舎で学ぶ草野・飯樋・臼石小と飯舘中の登校風景だ。

 児童生徒数は震災前の14%の76人。うち69人が福島市や川俣町など村外から通学する。登下校のコースや時間が多様なため、村の専用バスだけでは足りず、民間業者に委託して、数人用のワゴン車や乗用車も4台用意する。

 小中学校に併設された認定子ども園に2歳児を預ける母親は「村外に居住することになったが、15歳まで一貫した教育を受けられる飯舘の学校に通わせたい。スクールバスを継続してもらわないと困る」と話す。

 通学の足の確保に加え、教員配置の特例措置が村の教育を支える。

 小学校では定数の計10人より3人増やして単式学級を維持し、教材作りに力を入れることもできる。スクールカウンセラーなどの専門家も小中合わせて4人配置され、授業に参加しながら助言してくれる。菅野典雄村長は「教育には最大限の力が必要」と話す。

     ○

 少子化で学校の存続に厳しさが増すなか、原発事故で避難指示が出た12市町村では、より一層の困難さに直面する。県教育委員会は「きめ細かいフォローと魅力ある教育活動を展開し、超少人数教育のモデルにしたい」との方向性を描く。

 県は2年前に学校再開支援チームを設置。12市町村からの要望を取りまとめて、支援策の予算化を国に求めてきた。

 避難先からのスクールバス運行は今年度、復興庁の交付金の対象に認められ、飯舘村は6500万円の支援を受ける。教員配置を増やす特例は、12市町村を中心に今年度は県内で491人分が認められ、11億円の人件費が予算化された。

 国への要望は多様化する。学校ごとの特色ある教育支援などに7千万円、福島イノベーション・コースト構想を担う人材育成に2億3千万円など、今年度予算の要望はほぼ認められたという。

 ただ、国の「復興・創生期間」は2020年度末で終了する。それ以降、これまでのように、福島からの要望がすんなり通るかは不透明だ。

 県教委は「学校再開はゴールではなくスタート。ステージに合わせた事業が今後も必要」と支援継続を求めるが、復興庁の幹部は「国の支援は残るが、自治体の施策でやれるものがないかを精査し、県が調整して本当に必要なものを上げてほしい」と言う。

 「学校を立ち上げて振り返ったら、保護者がついてきていなかった」。今年7月、学校再開支援チームの会議で、浜通りの自治体の担当者がそう発言した。

 被災地にとって学校は希望の光だ。だが、今春再開したばかりの川俣町の山木屋小が、来春で休校となる可能性が出てきた。

 学校存続という難しい課題をどう乗り越えていくのか。前例のない試行錯誤は、復興・創生期間とは関係なく続く。(深津弘)

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