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みちのくお出かけ【東北細見】

前沢曲家集落(福島・南会津町)

写真:やや急な階段を10分ほど登ると集落が一望できる展望台がある=福島県南会津町前沢 拡大やや急な階段を10分ほど登ると集落が一望できる展望台がある=福島県南会津町前沢

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 ●明治期のおそろい民家群

 福島県の南西部に位置する南会津町。会津地方の中心地、会津若松市から約45キロ、面積の9割以上が森林で占める。町を横断する国道352号沿いを車で走ると、かやぶき屋根の民家が連なる集落が見えてくる。

 「前沢曲家集落」。標高約650メートルの緩やかな斜面に位置し、冬は積雪量が1・5メートルを超えるという豪雪地帯。「曲家」とは、L字に曲がった建物で、厩が一つ屋根の下にある雪国独特の民家の形式の一つだ。

 この集落は、1907(明治40)年の大火で全13戸が焼失した際、同じ大工の集団が同じ時期に建築したため、統一的な建物が並ぶ。全国でも珍しく、2011年に国の重要伝統的建造物群保存地区に指定された。

 集落入り口の案内所で入園料を払い、橋を渡る。その下にはエメラルドグリーンの澄みきった舘岩川が見える。さらに歩くと「バッタリ小屋」と言われる、水力で杵を持ち上げ、バッタリ、バッタリとつく脱穀装置と水車の音が聞こえる。山里の風景と相まって心地よい。

 集落の中心部にあるのが、かつての暮らしぶりを体感できる資料館だ。木戸をくぐると、土間の右側に厩があり、炊事場、食事などをする日常生活の中心「したえん」、奥には座敷、寝室などがある。

 「したえん」には囲炉裏があり、薪が燃やされ、建物内は煙が充満している。住民でつくる「前沢景観保存会」のメンバーが、虫よけのために、毎日火をおこしているのだという。訪れた観光客にお茶を振る舞い、談笑する様子が見られる。

 現在、集落は19戸で、うち10戸が曲家、残る9戸はL字形ではない「直家」という。今も現役として住民が暮らしているが、内装は現代風に様変わりしているという。

 年間約1万5千人が訪れ、南会津町では重要な観光地の一つだが、将来に向け課題もある。保存会の小勝周一会長(69)によると、住民約40人のうち、半数は65歳以上。維持費もかかり、家を継がない子どもも多いという。「10年後も今の景観が保てるかという不安は残る」と話す。

     ◇     ◇

 前沢曲家集落へは東北道白河インターから車で約1時間40分。会津鉄道会津高原尾瀬口駅からバスで約40分。入園料大人300円、高校生以下150円。冬期間(11月中旬〜4月中旬)は無料で見学できるが、資料館は閉鎖している。集落から車で約1時間40分で、同じ保存地区に指定され、かやぶき屋根の集落が並ぶ大内宿(下郷町)がある。問い合わせは前沢景観保存会(0241・72・8977)。(石塚広志)

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