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地方選【福島の針路 2018知事選】

内堀氏 実績訴え再選

写真: 拡大

写真:再選を決め、万歳する内堀雅雄氏(中央)=福島市北矢野目の事務所 拡大再選を決め、万歳する内堀雅雄氏(中央)=福島市北矢野目の事務所

写真:敗戦の弁を述べる町田和史氏=福島市南矢野目の共産党県委員会 拡大敗戦の弁を述べる町田和史氏=福島市南矢野目の共産党県委員会

 ●「挑戦続ける」復興加速化へ

 28日に投開票された知事選は、現職で再選を目指した内堀雅雄氏(54)が他の新顔3候補に大差をつけて再選を決めた。内堀氏は共産を除く自民、立民、国民、公明、社民の各党の支援を受けて、幅広く支持を獲得。国と二人三脚で東日本大震災と原発事故からの復興政策を進めた1期4年の安定感が評価された形で、引き続き、復興半ばの福島のかじ取りを担う。投票率は45.04%(前回45.85%)だった。

 28日夜、福島市北矢野目の内堀氏の事務所では、当選確実の報が伝わると会場から大きな拍手が起きた。

 詰めかけた支援者の前で、内堀氏は「重い使命を抱えているが、明るい福島の未来を開くという情熱を胸にチャレンジを続ける」と2期目の抱負を語った。

 副知事を8年務めた後、4年前の知事選で初当選した内堀氏。今年6月に立候補を表明すると、前回同様、共産を除く各党が支援を表明。農協など850団体も推薦するなど、組織力で選挙戦を展開した。

 選挙戦では、県内59市町村を訪問。約100回、街頭演説し、国などと調整しながら進めた復興政策の実績をアピールした。

 原発事故による避難指示が多くの地域で解除されたことや、風評払拭(ふっしょく)の取り組み、浜通りに産業集積を目指す「福島イノベーション・コースト構想」の国家プロジェクト化などを引き合いに、「原発事故からの前進」を訴えた。

 一方、国の「復興・創生期間」が2020年度に終わることを踏まえ、その後の財源確保などに全力を挙げる姿勢を鮮明にし、避難指示区域の再生も含め、次の任期でも復興の加速化に努める方針を打ち出した。

 ●町田氏 指示広げられず

 落選がほぼ確実になり、福島市南矢野目の共産党県委員会の事務所に現れた同委員長の町田和史氏(42)は「今の県政の問題点を一定程度県民に示すことができたが、選挙の準備が遅れ十分に訴えを広げられなかった」と述べた。

 同党県委員会など16団体でつくる「みんなで新しい県政をつくる会」の共同代表の一人として、候補者選考にあたった。しかし、候補者選考が難航し、告示が迫る10月上旬に自ら立候補を表明。「福島からの原発ゼロの発信」の訴えのほか、内堀県政について「国や東電にモノが言えない県政」と批判を展開したが、及ばなかった。

 このほかに自営業の金山屯氏(78)、IT広告会社長の高橋翔氏(30)が立候補したが敗れた。(石塚大樹、深津弘)

 ●視点/幸せ取り戻すため 影にも目を

 物事には光と影がある。震災と原発事故の複合災害に見舞われた福島では、その陰影はさらに深く、人々の絆さえ切り裂いている。

 「県外で今の福島を正確に伝えるときに重要なことは、『光と影』を両方伝えることです」

 24日、福島市で開かれた総決起集会で、内堀氏は約千人の聴衆に力強く語りかけた。だが、内堀氏は今回の選挙戦で、どれだけの「影」を有権者に伝えたのだろうか。

 県は今年8月、応急仮設住宅の無償提供を終了する方針を発表した。無償提供の終了は、多くの住民帰還を心待ちにする、旧避難指示区域の自治体にとっては「光」かもしれない。

 しかし、様々な理由で帰還に踏み切れず、自らの将来を描ききれないまま避難を続ける人々にとっては他ならぬ「影」だろう。

 国の「復興・創生期間」は2020年度で終わる。内堀氏はそれ以降について「組織、制度、財源、この三つを担保することが重要。取るべきことは取る」と語るが、語るべき事はそれだけでよかったのか。

 すでに被災地支援は縮小の一途。消費増税を控え、国の予算執行に対する国民の目も厳しさを増す。

 高速道路無料措置や介護保険・住民税の免除など、被災者への支援措置が打ち切られる可能性もあるのに、内堀氏がそうした「痛み」を丁寧に説明し、理解を求めるために言葉を尽くしたとは、到底思えない。

 確かに福島の復興は緒に就いたばかり。長い戦いであることは知っている。

 だが、政治とは説得と納得のプロセスだ。耳心地のいい事だけを並べて築いた安定は、福島への巨額予算という求心力を失った時、あまりにもろいと言うことを、内堀氏は肝に銘じるべきである。

 24日の内堀氏の総決起集会。浪江町出身の吉田栄光県議会議長の言葉が印象に残る。「足りない物を求め続けていくのも重要だ。しかしながら、内堀県政2期目は、失われた『幸せ』の価値観を取り戻す、その県政が必要だと思う」

 光と影に満ちた福島で、失われた「幸せ」を取り戻すためにはどうしたらいいか。光だけに目を奪われず、影から目をそらさない。そこから生まれる県民との信頼以外に、福島復興の推進力はない。

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