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地方選【2019 統一地方選】

議会改革(上)

写真:手前の席に並んでいた市幹部が退出してから議員による討議が始まった=会津若松市東栄町の市議会 拡大手前の席に並んでいた市幹部が退出してから議員による討議が始まった=会津若松市東栄町の市議会

 ●「議員間討議」を重視

  「市役所建て替え、県立病院跡地の活用、駅前広場整備……。それぞれ重要だが、しっかり対応しないと財政危機に直面する」

 「市民に丁寧に説明しなくてはならない」

 「計画段階とはいえ、財政状況を見ながら進めるべきだとの決議が必要だ」

 会津若松市役所3階の市議会委員会室。予算案の答弁をしていた市幹部が退席した部屋で、7人の議員が話し合っていた。

 「議員間討議」と呼ばれるもので、予算案を扱う四つの分科会で質疑とは別に、議会としての考え方を「決議」や「要望的意見」という形で執行部に示すために意見を交わす。重要視されている手続きだ。

 会津若松市議会は2008年6月、県内の自治体で最も早く議会基本条例を制定した。

 きっかけは議員間のセクハラ問題だった。市町村合併で定数61まで膨れ上がった議会で政治倫理条例を定めようとしたが、調整が難航。07年に現在の定数30で改選された議会で、政治倫理条例だけでなく、議会のあり方を定めた基本条例を制定すべきだとの意見が強まった。

 議会基本条例は06年に北海道栗山町で初めて生まれた。市議会は同町など先行例を学ぶとともに、市民委員や学識経験者を交えて協議を重ね、条例案を練り上げた。

 特徴のひとつは、「市民との意見交換会」を開いて、市民の声をもとに問題点を把握し、議員同士の話し合いを通じて政策を作り上げていくことを目指している点だ。行政を監視するだけでなく、議会から政策形成を図る考え方は注目を集め、全国各地の議会などが視察に訪れる。18年度は70件、540人に上った。「議会改革のトップランナー」と評する人もいる。

 ● 行政の監視 疑問も     

 しかし、行政の監視という「伝統的」な役割を十分に果たしているか、疑問に感じる場面もあった。

 16年6月、市議会は間もなく開所式を迎えるICT(情報通信技術)オフィスビルの用地買収のための不動産鑑定委託料を、全会一致で予算案から削除した。

 財政への影響の大きさなどが理由だったが、市は3カ月後、同じ土地を「観光駐車場」と称して不動産鑑定委託料を提案する。

 契約を急ぐ相手側の意向や、事業完成を国の助成制度の期限内に間に合わせるため、という事情があるにせよ、「ごまかし」と思わせる姿勢に、分科会は予算案を再度否決した。しかし、翌日、議長を除く全議員が参加した予算決算委員会は逆転可決する。

 「二度否決したら事業進展へのダメージが大きい」「室井照平市長の政治責任に直結する」。当時賛成に回った議員からは、こんな声が聞かれたが、「あんな説明はありえない」と今も悔やむ議員もいる。

     ◇

 住民にとって一番身近な市町村の首長や議員を選ぶ統一地方選の後半戦が14日、スタートした。この10年余り、住民に開かれ、首長と議会が並ぶ「二元代表制」にふさわしい姿をつくるための「議会改革」の取り組みが全国各地で行われた。先駆的とされる会津若松市議会の取材から、「改革」の現状と課題を考えてみたい。

     ◇     ◇

 ●議会基本条例制定率 県内の市77%、町39%

 朝日新聞社の全国地方議会アンケートによると、県内で議会基本条例を制定していると回答したのは、県のほか、福島市など10市12町2村。自治体議会改革フォーラムの調査では全国の一般市の制定率は66%、町は36%とされている。福島県の制定率は市で77%、町で39%。基本条例づくりに熱心な地域といえそうだ。(戸松康雄)

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