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記者報告

活気取り戻そう カギは「食」

写真:カウンターだけの小さな店が集まる屋台村。今月末で営業を終える=高崎市田町 拡大カウンターだけの小さな店が集まる屋台村。今月末で営業を終える=高崎市田町

写真:木を使ったアーケードに居酒屋などが出店し、客席が道路にせり出す再建後のイメージ=高崎市作製・提供 拡大木を使ったアーケードに居酒屋などが出店し、客席が道路にせり出す再建後のイメージ=高崎市作製・提供

写真:古い蔵(左)の脇に、外観を合わせた長屋を整備した田町絹市場=高崎市田町 拡大古い蔵(左)の脇に、外観を合わせた長屋を整備した田町絹市場=高崎市田町

 高崎駅周辺に客が流れ、集客に陰りが見える高崎市の繁華街、田町周辺で、にぎわいを取り戻すための新たな動きが出始めている。6年前にできた通称「屋台村」は今月末にいったん閉まり、違ったコンセプトの飲食施設を模索している。また、昨年2月の大雪で屋根が崩落した高崎中央銀座商店街のアーケードは、市が再建し、昭和をイメージした飲食店街にする計画を進める。再生に向け、期待する声も多い。

 今月末に閉まる屋台村の正式名称は「高崎田町屋台通り―中山道恋文横丁」。約1千平方メートルの敷地に箱形の小さな店舗が密集する。2009年12月にオープンし、小料理、焼き肉、中華、ワインバー、韓国料理など最盛期には18店が営業した。

 カウンターで気軽に飲めるつくりになっており、各店舗に入れるのは8人ほど。肩を寄せ合い酌み交わす。「村内」なら、客は別の店から出前も頼めるため、おでんや中華料理などが店を行き交った。市内はもとより出張者や観光客にも人気のスポットとなった。

 5年前から居酒屋を経営する50代男性は、ここで初めて自分の店を開いた。「少ない初期投資で始められた。いろんなお客さんに出会えて良かった」と振り返る。年明けには近くの飲食店街、柳川町に新しい店を構える。

 6日、屋台村で最後のイベントがあった。訪れた常連の30代の自営業男性は「店主や他のお客さんとの近さが良かった。閉まるのは寂しい」と惜しんだ。年末まで営業するのは7店ほどだ。

 市内の若手経営者らによる運営会社によると、地権者との契約は3年ごと。オープンから6年で閉店するのは、簡易な建物の修繕が必要になったことや、各店の経営状態に差が出て継続を望む経営者が少なくなったためだという。

 ただ、運営会社はこのまま終わらせるのではなく、新しい形を模索しているという。代表社員の原寛さん(42)は「屋台村を出て新しい店を持った人も多く、(経営者を)育てるという役割は果たせた。次は『地元の食に出会う場所』に重点を置いて、来春をめどに計画を打ち出したい」と話し、地権者の同意を得たい考えだ。

 屋台村に近い高崎中央銀座商店街のアーケードは、全長430メートルのうち110メートルの屋根が昨年2月の大雪で崩落、損壊した。その後、市には「金をかけずに青天井のままでいい」との声も寄せられたが、富岡賢治市長は「先輩たちがつくった商業、文化を終わりにさせたくない」とアーケードの再建を決めた。街路灯を含めた整備費は2億円を超す見込みで、市と国がそれぞれ半額近くを出す。

 計画では、高崎産木材を使い、昭和の風情のある飲食店街にする。イメージは東京の「サラリーマンの街」として知られる新橋の飲み屋街だ。店舗から道路にテーブルといすをせり出させる。アーケード下の市道は正午から午前0時まで緊急・許可車両以外通行止めになっており、夕方から会社員や若者らでにぎわう明るい通りにしたいという。今年度中に設計し、来年度に着工、完成させる予定だ。

 市によると、損壊部分には27店舗あり、多くが飲食店で数軒が小売店、7店が空き店舗になっている。現在の「空き店舗活用支援事業」の制度を、アーケードの再建エリアに限って手厚くし、建て替えや改築した場合、500万円を限度に補助する方針だ。

 今のところ7店の出店希望があり、市が空き店舗を中心に所有者との間に入って調整を進めている。居酒屋だけでなく、ワインバーやパスタ店など洋食系の希望もあるという。

 民間の事業に深く関わることについて富岡市長は「シャッター商店街の再生は地方都市の例外のないテーマだ。今回の取り組みは壮大な実験。リスクを乗り越えないと地方都市は沈没する」と意気込む。

 民間でも新しい動きが出ている。

 屋台村の前の通りを挟んで向かい側に、古い蔵と長屋に五つの飲食店が集まる「田町絹市場」が昨年7月にオープンした。新築の長屋も白壁に黒の板張りと、蔵に合わせた外装にして一体感を出している。

 衣料品販売などを手がける地元企業が所有地に造った。この会社の奥井定夫会長(68)によると、整備にあたり「蔵を残してほしい」という地元住民の希望を受け、特色ある飲食スポットにした。駅から1キロほど離れた立地では小売りは難しいと判断したという。

 明治時代、隣接地に「絹市場」と呼ばれた取引所があり、多くの業者でにぎわったことから、当時の通称を生かした。焼き鳥店や韓国料理店などが入る。

 15席ほどの串揚げ店を経営する掛川千枝子さんは、屋台村から移った。常連客が増え、屋台村の8席では手狭になったという。「にぎやかな駅前に比べ、1人でも入りやすい店だと思う」と話す。

 アーケード内にできる昭和の飲食店街や、そのかいわいの新しい店がポイントになり、駅前との間で客の行き来が増える――。田町周辺や柳川町の飲食店経営者、市の担当者らは一様にそんな理想を描き、期待をしている。 (遠藤雄二)

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