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人・ひとめぐり

近代化に功績、正当な評価を

写真:村上泰賢さん(80)=高崎市 拡大村上泰賢さん(80)=高崎市

 ■悲劇の幕臣・小栗上野介を研究する 村上泰賢(むらかみたいけん)さん(80歳)=高崎市

 幕末の混乱期に幕臣として日本の近代化に大きな功績を残した小栗上野介(おぐりこうずけのすけ)。「日本資本主義の父」と言われる渋沢栄一にも強い印象を与えた先見性を持ちながら新政府に逆賊扱いされて、41歳で生涯を終えた。

 小栗の墓がある東善寺(高崎市倉渕町)の住職を務め、正当な評価を伝えようと顕彰に取り組む。

 小栗は1827(文政10)年、旗本の家に生まれた。60年に日米修好通商条約批准の使節として渡米。外国、勘定、軍艦各奉行など要職を歴任した。

 村上さんは理事を務める顕彰会の機関誌「たつなみ」で今年8月、小栗が渋沢に「幕府の運命」という言葉を伝えていたことを、渋沢の伝記資料をもとに明らかにした。

 67(慶応3)年、パリ万博へ向かう徳川昭武に会計係として随行した渋沢は出発前、勘定奉行だった小栗と横浜港で会った。

 渋沢はその4年前、23歳の時に倒幕を計画し武器を買い集めたが中止した。財政苦の幕府が昭武のフランス滞在費支出を滞らせることがないかと心配する渋沢に、小栗は「倒幕を企てたほどの男。そんなことを心配するのはおかしい」と答えたという。

 小栗の発言について、村上さんは「『執行猶予中だぞ、しっかりやれよ』と釘を刺したのでしょう」と話す。この時、小栗は「幕府がいつどうなるかは全然分からぬ。幕府の運命について覚悟だけはしっかり決めておくことが必要だ」と語ったという。その年の秋、大政奉還により、徳川の時代は終わった。

 罷免(ひめん)された小栗は、領地にあった東善寺で隠棲(いんせい)生活を送ったが、新政府に斬首された。

 これまで小栗に関する編著や共著計6冊を出版。横須賀造船所の建設や仏語伝習所開設、日本初の株式会社設立を指導するなど近代化の礎を築いた小栗の業績を伝えてきた。「8年間で幕末日本の構造改革に奔走した人です」

 現代の日本人に、小栗が残した言葉「真の武士になりたかった」を贈りたい。「いまの日本人は、計算ずくで自分の得になる方に走りがち。小栗は損得を抜きに、常に国のこと、民のことを考えていた」(角津栄一)

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