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出会いの森 北国のリスたち【北国のリスたち 久保田亜矢】
巣材
■冬に備えて樹皮と格闘
一心不乱ってこういうことを言うんじゃないだろうか。巣材にする木の皮と、張り切って格闘しているかのようなエゾリスを見るたびにそう思う。
秋の終わりの森の片隅で、メスのエゾリスが杉の樹皮の内側の皮をはいで丸めていた。巣の中に敷き詰めるために、頑張っているのだ。
エゾリスにとって、巣は子育てのため、休息するため、また隠れ家として大切な場所になる。まして冬は巣の中で過ごす時間が長くなる。だから冬の巣はほかの季節にくらべて、内部の巣材を多くしなければならないのだ。
面白いのは、はぐときは前脚を使わず、口だけを使うところ。長めに皮をはいだあと、今度は前脚を使って器用にくるくると丸めるのだが、丸めた巣材は時にエゾリスの体の半分くらいの大きさにもなる。
北海道で杉の木は一部の地域で人工的に植樹されているが、ふと見ると、「木がかわいそうです、杉の皮をはがさないでください」という看板がすぐそばにあるではないか。
エゾリスには文字は読めないよなぁ、と何だかおかしくなってしまった。
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