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企画特集5【がんと生きる ◇元記者 高橋賢司】

(42)臨床試験1クール

写真: 拡大

■「共存」へ飲み続ける

 1月の転移肝がんの再手術後、2月から北大病院の「市販の抗がん剤を内服する臨床(治療)試験」を始め、3月8日に1クールが終わった。

 UFT(ユーエフティ)とUZEL(ユーゼル)という経口の抗がん剤だ。前者は細胞の増殖を抑制し、がんが育つことを抑える効果があり、後者は治療薬の作用を増強させるという。

 1クールは「28日間内服後、7日間休み」で計35日間。1日3回の服用だが、朝昼晩、食事の前後1時間を避けて約8時間ごとなので、午前7時に飲むと昼は午後3時、夜は午後11時になる。単純作業だが、決められた通り続けるのは意外に煩わしい。抗がん剤が正常細胞も攻撃して障害を与えるため、副作用も出る。吐き気や食欲不振、下痢をはじめ、いろいろと出やすいので要注意という。

 今のところ自覚症状はこの三つと後頭部の発疹くらい。いずれも症状は軽い。以前の点滴による抗がん剤治療より楽だ。

 ところで抗がん剤はある偶然から誕生したという。知人からお見舞いにいただいた本「高橋豊の今あるがんを眠らせておく治療」(主婦の友社)に出ていたエピソードを紹介したい。

 それによると、第2次世界大戦中の1943年12月、イタリアのアドリア海の軍港で爆発事故が起き、毒ガスのイペリットが大量に噴出。ガスを吸った兵士の多くに白血球の明らかな減少があったのを軍医が発見。この報告を読んだ米国の医師が悪性リンパ腫に効果があるのではないかと考え、イペリットと同成分の薬剤を患者に投与したところ病状が改善した――。

 これが世界初の抗がん剤治療だという。まさに「毒をもって毒を制す」治療法だ。抗がん剤治療で「完治」は困難だが、「がんとの共存」は期待できるという。「毒」だとしても、すがって飲み続けるしかないかと、今は思う。

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