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湯 人 話(ゆ ひと わ)【湯 人 話】

協和温泉(愛別町)

写真:愛別町産キノコを使ったフルコースを考案した荒木邦雄さん=愛別町の協和温泉 拡大愛別町産キノコを使ったフルコースを考案した荒木邦雄さん=愛別町の協和温泉

写真:おひとりさまサイズの湯船=愛別町の協和温泉 拡大おひとりさまサイズの湯船=愛別町の協和温泉

写真: 拡大

■看板はキノコのフルコース

 JR旭川駅から石北線の普通列車に揺られ、小一時間。車窓の風景に石狩川の流れが加わると、そこは道内有数の「きのこの里」だ。愛別町はエノキとナメコで道内一の生産量を誇る。町内を歩くと、キノコの形をしたバス停に、橋の名まで「マイタケ橋」「シメジ橋」。しかもキノコをとことん堪能できる宿があるという。愛別駅から車で10分ほどの協和温泉だ。

 しゅわしゅわと泡のつく冷たい炭酸泉がわき出ることは大正時代から知られ、昔の人は砂糖を混ぜて「ラムネ」にして飲んだらしい。温泉としての開業は遅く、1969年。町に一つぐらい娯楽施設を作ろうと、町民有志が資金を出し合って建てた。いま宿を切り盛りする荒木邦雄さん(54)と妻の康子さん(48)一家は、設立時の中心メンバーや初代の支配人の親戚筋にあたる。

  ○  ○  ○

 宿の看板は、キノコのフルコース。「特産のキノコで町の名物になる料理を作ってくれないか」と農協から頼まれ、札幌のホテルや仕出し店で修業した荒木さんがひと肌ぬぐことになった。

 脇役のキノコを「主役」に抜擢(ばってき)する前代未聞の試み。最も悩んだのが、和食のコースに欠かせない「お造り」だ。試行錯誤を続け、愛別産の極上のシイタケをさっと蒸して「お刺し身」に。特に印象深いのが、先付けとして出されたシイタケのきんぴらと、みそを塗った大葉でマイタケをくるっと包んで揚げた天ぷら。きんぴらは、シイタケの軸を手で針の細さに割いて作る、手間のかかる一品だ。全11品、シメのごはんまで、本当にキノコ三昧(ざんまい)だ。

 荒木さんには心配もある。「きのこの里」にも高齢化と過疎化の波が訪れ、生産農家がどんどん減っているのだ。シイタケ農家はもう1軒しか残っていないという。

  ○  ○  ○

 満腹のおなかを抱え、温泉へ。湯船はなんと、おひとりさまサイズ。「自然にわき出ている源泉を楽しむには、これが身の丈にあった大きさなんです」と康子さん。9度の源泉に木質バイオマスで沸かした80度のお湯を加え、適温にしている。

 湯船の蛇口から炭酸泉をすくい、口に含んだ。フランスのミネラルウォーター「ペリエ」と同じ味がする。ぽかぽか温まった体にきりりとした冷たさがしみわたる。あれもこれもと欲張りがちな日々の中、自然が分け与えてくれる恵みに感謝した。(日比野容子)

■こんなところ

 単純二酸化炭素冷鉱泉で、冷え症、神経痛などのほか、飲用すると便秘に効くとされる。キノコの名前がついた部屋が全11室あり、シーツもキノコ模様。キノコ入り鍋物で1泊2食7560円から、「きのこのフルコース」(要予約)は同9720円から。JR愛別駅から送迎可。日帰り入浴は午前8時〜午後10時。大人500円、子供250円。

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