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わがまち遺産【わがまち遺産】

ホップ(上富良野町)

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写真:昨夏に収穫したホップを手にする須田成志・サッポロビール北海道原料研究センター長=上富良野町 拡大昨夏に収穫したホップを手にする須田成志・サッポロビール北海道原料研究センター長=上富良野町

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■世界のビール党へ品種開発

■ホップ(上富良野町)

 ビールに苦みと爽快な香りを与えるホップ。本格的に生産・出荷しているのは道内で上富良野町だけだ。

 日本人によるビール醸造は、1876年に札幌にできた官営の開拓使麦酒醸造所で始まった。ホップが自生し、大麦の栽培にも適した北海道が選ばれたという。ホップ栽培は札幌や富良野地方で広がり、サッポロビールの前身が上富良野に直営ホップ園を開いた。サッポロビールは1971年にホップの研究拠点を上富良野に置き、「北海道原料研究センター」として新品種の開発を続けている。

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 町内の生産者は昭和40年代に100戸を超えていたが、その後は安価な輸入ホップに押され、現在は4戸。生産量は約10トンで、大半がサッポロビールとの契約栽培だ。希少な上富良野産ホップは限定商品に使われており、2008年から道内限定の「サッポロクラシック」に「富良野VINTAGE(ヴィンテージ)」の名を冠して発売。今春は新品種「ふらのほのか」を使った新製品も売り出した。

 研究センターが開発したホップは海外でも有名だ。84年に品種登録した「ソラチエース」は、90年代前半に米オレゴン州立大に別の品種との交換で提供された。これが米国や欧州、南米、中東などの醸造所で広く使われるように。ラベルに「sorachi」と書かれたビールが出回るようになった。

 国内ではソラチエースの娘世代にあたる「ホクトエース」や「フラノスペシャル」が活躍している。須田成志センター長は「近年は個性的な味が好まれる。ホップも品種がブランドになる」と、さらなる改良に意欲を燃やす。

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 町もホップを特産品として活用している。ビールの主原料の大麦とホップが両方生産されているのは世界でも珍しいといい、08年に地元産大麦とホップだけを使った「まるごとかみふらの」をサッポロビールに委託製造してもらってビアガーデンで提供。12年からは瓶ビールも売り出した。贈答品や土産として人気を呼び、今年は6月11日から町内の店舗と地元観光協会のネット通販で発売する。

 (渕沢貴子)

 <ホップ> アサ科のつる性の多年生植物で、西アジアが原産とされる。雌株がつける小さな松かさのような黄緑色の「球花」が、ビール原料として利用される。球花には苦みのもとになる樹脂、爽やかな香りを生む精油が含まれるほか、ビールの泡持ちを良くしたり、雑菌の繁殖を抑えたりする働きもある。主にドイツやアメリカで生産されており、国内では上富良野町のほか東北で栽培されている。

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