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ラウンジ【ラウンジ】

タンチョウと共生、遊水地から 

写真:舞鶴遊水地で水生生物を調べる子どもたち。遊水地の活用はすでに始まっている=5日、長沼町 拡大舞鶴遊水地で水生生物を調べる子どもたち。遊水地の活用はすでに始まっている=5日、長沼町

写真:舞鶴遊水地に飛来した2羽のタンチョウ=3月、長沼町提供 拡大舞鶴遊水地に飛来した2羽のタンチョウ=3月、長沼町提供

写真:6カ所の千歳川遊水地群 拡大6カ所の千歳川遊水地群

■生息地復活めざし長沼町と住民団体

 流域の治水対策のため、北海道開発局が建設を進める千歳川遊水地群=キーワード=の一つを核にした長沼町の「タンチョウとの共生によるまちづくり」が、今秋にも本格化する。開拓以前はツルの生息地だったことがきっかけで、開発局も「遊水地の利活用の試金石になる」と全面支援する考えだ。

■地域活性化へ開発局も支援

 千歳川遊水地群の一つ「舞鶴遊水地」に今月5日、約20人の子どもたちが集まった。開発局千歳川河川事務所が主催する環境体験学習「かわ塾」だ。ライフジャケットを着て沼地に入り、ずぶぬれになって植物や魚介類、底生生物の調査などを体験。遊水地の役割を楽しみながら学んだ。

 舞鶴遊水地(約200ヘクタール)は昨年3月、千歳川の支流・嶮淵(けねふち)川右岸に完成した。長沼町は3分の1を「地域の産業支援ゾーン」と称する採草地として利用。その他は「環境学習と交流ゾーン」「豊かな自然空間と風景ゾーン」としての利活用を検討してきた。

 そんな中、農業者を中心に「舞鶴遊水地にタンチョウを呼び戻す会」が生まれた。2代目会長の加藤幸一さん(64)は「タンチョウが暮らせるまちづくりは、農業地帯である地域の活性化につながると考えた」と説明する。

 長沼町は明治期に開拓が始まった当時、多くの沼や湿地があった。タンチョウやマナヅルが多数生息していたとの記録もあり、「舞鶴橋」「舞鶴小学校」といった名称もその名残だ。舞鶴地区で2008年以降、毎年のようにタンチョウが飛来してくることも後押しした。今年3月にも舞鶴遊水地で、むかわ町生まれの若鳥とみられる2羽のタンチョウが確認された。

 呼び戻す会が目指すのは「タンチョウの飛来、生息に適した環境創出に考慮した遊水地の整備」や「タンチョウをシンボルとした地域ブランド力の創造」だ。日本生態系協会と共催するシンポジウムや、地域の子どもたちの遊水地観察会を催すなどしてきた。

 ただ昨年1月、遊水地周辺に農地を持つ農業者から「マガンやハクチョウなどによる農作物への食害」などへの懸念が示された。これを受け、町は「タンチョウとの共生検討会議」を設立して議論を重ね、今年3月、開発局に対して協力を要請した。戸川雅光町長は「懸念される点については理解していただけたと思う。町一丸となって取り組んでいきたい」と決意を語る。

 開発局の宮藤秀之・札幌開発建設部次長は「これから完成する他の遊水地の利活用のいい手本になるよう、全面支援したい」と言い、町や日本生態系協会とともに「タンチョウも住めるまちづくり検討委員協議会」(仮称)の今秋設立に向けた準備を進めている。

 (深沢博)

◆キーワード

 <千歳川遊水地群> 千歳川中下流域の治水対策として、中止された千歳川放水路計画に代わって北海道開発局が2008年度から事業に着手。千歳市から江別市までの流域6市町に6カ所(計約1150ヘクタール)の遊水地群を計画。用地取得などがスムーズに進み、最も早く09年度に着工された長沼町の舞鶴遊水地は、昨年度から供用が開始された。残る5カ所も19年度までの完成を目指して工事が進められている。

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