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水曜「働く・暮らす」【逸品 ひとモノ語り】

高橋製菓「ビタミンカステーラ」

写真:「ビタミンカステーラ」を手にする秋元忠雄社長=旭川市 拡大「ビタミンカステーラ」を手にする秋元忠雄社長=旭川市

●飽きない味 ロングセラー

 道民にとって「カステラ」といえばこれ。しっとりとした本格カステラとは異なるフカフカした食感の駄菓子の一種だが、「『子どものころからこれが本物のカステラだと思っていた』とよく言われます」と製造販売する高橋製菓の秋元忠雄社長(64)はほほえむ。

 今も道内の多くのスーパーやコンビニに定番商品として置かれる身近な存在だが、旭川にある従業員30人余りの小さな会社が作っていることはあまり知られていない。長崎でカステラ作りの修行を積んだ初代社長が現在と同じ場所で1921(大正10)年に製造を始めた。第1次大戦終結からまもないころで、食べ物が不足し栄養失調の子どもも多かったことから「安くて栄養価が高い菓子として考えられた」と秋元社長は話す。

 戦後は特に農家のおやつとして重宝された。田畑を手伝う出面(でめん)さん(日雇いバイト)のおなかを満たすのにちょうどよかったらしく、農繁期には大きな倉庫が丸ごとビタミンカステーラで埋まり、出荷の順番を待つ輸送トラックが何台も横付けしていたという。

 当時は多い日で1日6万個を生産。現在も1日2万個のロングセラーだ。農家が減り、様々なお菓子が生まれる中で、なぜ息長く売れ続けるのか。秋元社長は「飽きの来ない味というのが最大の魅力でしょう」とみる。

 本格的なカステラと同じく小麦粉、卵、ハチミツ、砂糖が主原料だが、甘さはほんのり。「創業当時、砂糖は高価で、安くするには多く使えなかった。それがかえって毎日たくさん食べても飽きないよさを生んだようで、その後も機械化はされたものの、味も製法も変えていません」

 使う小麦粉も当時のまま。5年前にそれまで使っていた焼き上げ用の油が製造中止となり、苦心して似た油を見つけ切り替えたところ、客から「味が少し変わった」と言われた。「舌の肥えた長年のファンに支えられていることを改めて突きつけられた。いろいろな味の新商品を構想するときもあるが、まずは伝統を守っていこうと思います」

 (渡辺康人)

     ◇

 「高橋製菓」は1917(大正6)年に現在地で創業。一般的なカステラや焼き菓子などを販売していたが、4年後から現在の「ビタミンカステーラ」にあたる菓子の製造を始め、50年ごろに当時の給食に使われていたビタミンB1、B2を加えて現在の商品名にした。本格的なカステラと比べ卵や砂糖を多く使わないことで水分が減り、日持ちがいいことも特長だ。61年には全国菓子大博覧会で「総裁賞」を受賞し、今も包装フィルムに大きく記されている。1個97円(税込み)。

 ほかに、ウェハースとアーモンド、ホワイトチョコレートを使った洋菓子「氷点下41°」が旭川土産で知られ、園内だけで販売している旭山動物園クッキーシリーズもある。

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