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水曜「生きる」【現場一話】

よつ葉乳業、ハラール認証で商機活路

写真:ハラール認証を受けた、よつ葉乳業の十勝主管工場。同社発祥の工場で、年間1万人の見学者を受け入れている=音更町 拡大ハラール認証を受けた、よつ葉乳業の十勝主管工場。同社発祥の工場で、年間1万人の見学者を受け入れている=音更町

写真:工場内の見学者コースには、昔懐かしい三角形の牛乳パックなど、創業時から現在までの商品が並べられている=音更町 拡大工場内の見学者コースには、昔懐かしい三角形の牛乳パックなど、創業時から現在までの商品が並べられている=音更町

■酪農家ら創業、イスラム圏進出狙う

 十勝地方のほぼ真ん中、音更町に「よつ葉乳業」(札幌市)の十勝主管工場がある。今年50年を迎えた十勝発祥の乳業メーカーの創業の地で、新たな取り組みが始まった。

 道内の酪農家から集めた年間約50万トンの生乳から牛乳やバターなど同社製品の大半を作る国内最大級の乳業工場。その一角に「HALAL」の看板が掲げられた建屋がある。イスラム圏の人向けに戒律に従い製品を作る「ハラール」に沿っていると、NPO法人「日本ハラール協会」(大阪市)から2015年に認められたチーズ製造棟だ。

 同法人はマレーシア、シンガポール両政府から認証資格を与えられている。大手乳業メーカーで認証を得たのは、よつ葉が初めてという。

 「豚由来の油やゼラチンはもちろん、清掃のための洗剤やブラシにも豚の毛やアルコールが混じっていないか、宗教学者から半年近く書類や工場の監査を受けました」。生産企画グループの長尾効志(こうじ)主任(38)はこう話す。

 認証を得るには、同工場だけでなく、生乳を納める酪農家の設備などにも徹底的なチェックが求められた。認証も毎年更新する必要があるため、原材料や清掃の資機材に変更がないか毎月調べる。同社グループの道内5工場のうち認証を得たのは四つで、残りも今年中には取得予定だ。

 認証を得たのは、日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)交渉などで乳製品の輸入が増えるとにらみ、販路として輸出強化への種をまいておきたい、との思いからだが、酪農家を巻き込んだ「改革」は、同社のルーツと無縁ではない。

 創業した1960年代後半、大手乳業メーカーが酪農家ごとに生乳を集めていたが、その価格は1戸ごとにバラバラで、しかも毎年乱高下する。牛舎などの設備投資の借金は膨らむ一方、収入は不安定だった。この状況を脱するには、酪農家自身が乳業メーカーを立ち上げ、生産から流通まで一体にならなければ――。この理念から、十勝8農協を中心に設立された。

 創業以来、会社幹部と酪農家は年に数回、ひざ詰めで話し合う「運営協力会」という会合を続けている。製品改良や売り上げアップに知恵を出し合い全国ブランドに磨きをかけるという。

 2020年東京五輪に向けてイスラム圏も含めた外国人訪日客が増えると見込まれ、ハラール認証を得た牛乳や乳製品へのニーズも高まるとみる。よつ葉の売り上げが伸びれば、酪農家も潤う。

 「よつ葉は、会社が好調でも苦しい時も、きちんと状況を説明してくれる。『酪農家による酪農家のための会社』を貫いてほしい」。50年間、十勝工場へ生乳を納めてきた士幌町の酪農家鈴木洋一さん(74)はそう強調する。

(上地兼太郎)

■公募の商標名、50年経過

 よつ葉乳業は1967年、帯広市で北海道協同乳業として発足。68年に商標名を朝日新聞紙上で公募し、1万2千点の中から「よつ葉」に決まった。72年から道外への牛乳販売を始め、十勝主幹工場でチーズラインが稼働したのは82年。2015年末からは台湾へ牛乳を輸出している。

 売上高は1022億円(16年3月期)で業界4位、バターのシェアは同2位。業務用の販売が75%を占めている。

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