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水曜「生きる」【けんこう処方箋】

家庭医の教育は「地域貢献」 草場鉄周

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写真: <イラスト・佐藤博美> 拡大 <イラスト・佐藤博美>

●北海道家庭医療学センター理事長 草場鉄周

 家庭医の仕事の中心は診療だが、「教育」についても色々な形で取り組んでいる。対象は医学生、初期研修医、そして家庭医を目指す専攻医に分かれる。

 近年、医学部での医学生に対する教育が大きく変わりつつある。国際的に望ましいとされる医学教育の指針に基づいて、教室での講義から現場を重視した臨床実習にカリキュラムの比重が移り始めているのだ。その影響を受けて、私たち家庭医が働く診療所に多くの医学生が実習で来るようになってきた。

 普段着の患者が気軽に受診し、身体の心配はもちろん家族のことまで相談する様子を見学する。そして訪問診療で、病気を抱えた住民が医療に加え、介護や福祉のサービスも活用しながら元気に過ごしている様子を実感する。

 医学生の多くが「医療や福祉が生活と結びつく大切さを知りました」「家庭医が患者と家族に寄り添う姿が新鮮でした」といったように、新たな視点も得られる。

 そして1〜2年目の初期研修医として再び私たちのフィールドにやって来る。その際は、少しずつ実際の外来診療や訪問診療に主体的に関わる機会を与え、医師として病気の診断や治療を丁寧に考えるプロセス、更には看護師などと連携するプロセスを実感してもらう。いわば家庭医の模擬体験の機会である。

 そうした経験を経て「家庭医になりたい!」と思ってくれた医師が、自らの専門領域として家庭医療を選択して、家庭医療専門研修に飛び込んでくれることになる。私たちの組織には、この4月から6人の医師が専攻医として働き始める予定である。

 彼らには、総合診療科、内科、小児科、救急科、産婦人科など病院での研修を2年間、都市部の診療所研修を1年間、そして郡部の診療所研修を1年間提供する。この4年間で1人前の専門医に育て上げていく。

 指導医のもとで、医学知識の積み重ね、医療技術の鍛錬、外来診療での医療面接の学びに加え、地域に出て訪問診療を提供し、多くの専門職とネットワークを築く能力を身に付けていく。この時期の専攻医の成長は実に著しく、驚かされることが多い。

 こうして育った若い家庭医が、私たちの仲間として地域の医療に貢献し、後輩を育てていくことになり、より広い地域に質の高い家庭医療を提供できるようになる。家庭医にとっての教育は、広い意味での地域貢献に他ならない。

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