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水曜「働く・暮らす」【トップに聞く】

正和電工・橘井敏弘社長

写真:正和電工の橘井敏弘社長。下が頑丈な箱で、小型船や災害避難所で使えるバイオトイレも開発した=旭川市 拡大正和電工の橘井敏弘社長。下が頑丈な箱で、小型船や災害避難所で使えるバイオトイレも開発した=旭川市

写真:バイオトイレには様々な種類があり、車いす用スロープがついたバリアフリー型も=旭川市 拡大バイオトイレには様々な種類があり、車いす用スロープがついたバリアフリー型も=旭川市

■バイオトイレ、災害用や海外も

●正和電工・橘井敏弘社長(69)

 ――バイオトイレの原理を教えて下さい。

 「様々なタイプがありますが、うちはおがくずを使います。保水力に優れ、吸い取られた水分も蒸発しやすい。固形物は腸内細菌などの微生物が分解し、特別な菌は加えません。残った少量の無機物はおがくず内の空気の穴に付着します。臭いもなく、年2〜3回のおがくず交換で済みます」

 ――おがくずだけでいいとは驚きです。

 「海外でも早くから山岳地のトイレで用を足した後におがくずをかける方法がありました。うちの製品はおがくずを使い続けられるのがミソ。おがくずを均一にかき混ぜるスクリューの形状が技術の肝です。ヒーターで温めることで大量処理も可能で、1日の利用回数が50回程度なら、加熱なしでも大丈夫な製品があります」

 ――どんなところで使われていますか。

 「下水道のない公園や山岳地が多いですが、イベントや工事現場などの仮設トイレとしても使われています。旭山動物園の入園者が急増した時は、下水道が整備されるまでバイオトイレが活躍しました。車いす用スロープをつけた障害者用トイレや、鏡や警報ベルがあり着替え用スペースもつけられる女性専用仮設トイレなど、新製品を増やしています」

 ――災害用にも力を入れています。

 「東日本大震災で注目を浴びました。自治体が備蓄することを想定し、簡単に組み立てられる製品を作りました。段ボール製の箱に便座を載せるだけ、箱の中のおがくずはスコップでかき混ぜる簡易型ながら、2週間連続で使える低価格製品も売り出しています」

 ――海外展開にも力を入れています。

 「2013年から政府の海外援助でベトナムの世界遺産ハロン湾で大規模事業を進めています。バイオトイレと、新開発した生活雑排水を木炭で処理する浄化装置を組み合わせ、下水道が不要になる仕組みを導入しようとしています」

 ――トイレ以外への応用もできるそうですね。

 「家畜の汚物や動物の死体も処理でき、エゾシカも太い骨だけ残し跡形もなくなります。福井県で1月26日から、駆除されたシカを連続で処理できるか確かめる実験を始め、結果が楽しみです」

 (聞き手・渕沢貴子)

     *

 きつい・としひろ 69歳 1947年、北見市生まれ。68年に北見北斗高校定時制卒。76年に正和照明商事に取締役として入社、88年に社名を正和電工に変更し代表取締役社長に就任。2015年にバイオトイレの業績を評価され黄綬褒章を受章した。

 ■きっかけは「食べ残し」

 正和電工は1974年に照明器具卸として設立。橘井社長は45歳の時に病気で胃の大半を切除。食べ残しがどうなるか気になったことがきっかけで、生ゴミ処理機に興味を持った。生ゴミ処理と同じ原理の「エコトイレ」を知り、メーカーにかけあって95年に販売を始めたが、翌年メーカーが倒産。権利を譲り受け、改良を加えて98年ごろからバイオトイレを販売し、同社の主力事業に育てた。社員10人、2016年8月期の売上高は2億4500万円。

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