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水曜「生きる」【けんこう処方箋】

ストレスチェック、ぜひ受けて 齋藤利和

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写真:イラスト・佐藤博美 拡大イラスト・佐藤博美

●幹メンタルクリニック院長・札医大名誉教授 齋藤利和

 2015年12月から、従業員50人以上の事業所にストレスチェックが義務づけられるようになり、高ストレス者が医師の面談を受ける機会も出てきた。我々のクリニックでも受け付けているが、多くは精神科受診を必ずしも必要としない軽症のうつ状態であることが多い。

 メンタルヘルスの不調の中で最も頻度が高いのは、うつ病・うつ状態である。従って「医師の面接を受けて助言をもらい(中略)メンタルヘルスの不調を未然に防止する」という厚生労働省の目標は、それなりに達成されていると思われる。

 ただ、未然に防止するばかりではなく、ストレスチェックを機に精神障害を早期発見し、軽症のうちに治療することも大事だ。実際、メンタルヘルスの不調によって陥る精神障害は、これまで気づかれないことが多かった。

 例えば、うつ病で医療機関を受診する理由の1位は不眠・過眠、2位は原因不明の身体の不調である。3位、4位になって初めて、精神症状である思考・決断・記憶力の低下、気分の落ち込み、感情の異常が登場する。精神症状は身体症状に比べ気付かれにくい。そのため、うつ病の患者さんが最初に受診する診療科は、内科が64%なのに対し、精神科はわずか6%に過ぎない。

 報告によれば、うつ病の主要な症状のうち、身体症状である睡眠障害、首肩の凝り、頭重・頭痛は約4分の1、疲労感・倦怠(けんたい)感に至っては半分以上の患者が自ら訴える。

 これに対して、精神症状である抑うつ気分、仕事能力の低下、意欲興味の減退を自ら訴える患者は3〜4%に過ぎない。従って、精神科以外の科を受診した患者は、必ずしも適切な治療を受けていない可能性がある。

 さて、うつ病と症状が似ている病気に「双極性2型障害」がある。双極性障害はそう状態とうつ状態を繰り返す病態であるが、この2型は躁(そう)病期が軽く目立たない。そこでうつ病と診断されてしまうことも多いが、薬物療法はうつ病と全く同じではない。

 その上、うつ病や双極性障害に過剰な飲酒が併存すると、薬物療法はほとんど効果がなくなる。だから、ストレスチェックの相談を機に精神障害を早期発見して、適切なアドバイスや治療を受けることも大事なことである。

 人生の心の危機を乗り切るために、ストレスチェックを積極的に利用してほしいものだ。

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