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水曜「働く・暮らす」【けんこう処方箋】

けいれん、呼吸確保と観察を 高橋豊

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写真:イラスト・佐藤博美 拡大イラスト・佐藤博美

●KKR札幌医療センター・小児科特任部長 高橋豊

 お子さんが突然、眼球が目の上に偏る「上転」になり、呼吸が止まって真っ青になる「けいれん」を起こしたら、ご両親が動転して救急車を呼ぶのは無理からぬことだ。

 実は私も小児科医になり立ての頃、1歳前の娘が高熱に伴う熱性けいれんを起こし、内心慌てた記憶がある。2〜3分で止まったが、長く感じたものだ。さすがに救急車は呼ばなかったが……。

 救急車を待つ間、嘔吐(おうと)物がのどに詰まらないよう顔を横に向け、呼吸がしやすいように衣服を緩めて、けいれんの様子を観察してほしい。熱性けいれんは日本人では多く、7〜8%が経験する。6カ月から5歳の乳幼児にみられるが、1〜2歳がピークだ。

 けいれんを起こすと脳に障害を残すのではないかと心配する方も多いが、15分以内に止まり、その後しっかり目が合うようになれば、その心配はない。けいれんが15分以上続いたり、意識が戻らないまま繰り返しけいれんを起こしたりした場合には、脳炎・脳症といった病気を考える必要がある。

 特にインフルエンザ流行期には、高熱でけいれんを起こしたお子さんが救急搬送されることも多い。5歳を超えて熱性けいれんを起こすこともあるので、私たち小児科医は、脳炎・脳症でないことを願いながら、救急車の到着を待つ。

 熱が出て数日経ってからけいれんを起こした場合、今はワクチンによって激減したが、細菌性髄膜炎も考える必要がある。脳炎・脳症や細菌性髄膜炎は早期の診断・治療が極めて重要だ。

 熱性けいれんは、約7割が1回で終わるが、両親のどちらかがかかったことがある▽お子さんが1歳未満▽発熱から1時間以内、または体温が39度以下で起きた――といった場合には、再発する確率が増える。これらの要素があり、かつ、けいれんを繰り返す場合や、最初のけいれんが15分以上の場合は、発熱時にけいれん予防の座剤を用いることもある。

 また胃腸炎が流行(はや)る時期には、胃腸炎としてはあまり重くないのに、けいれんを反復する胃腸炎関連けいれんという病気もよく経験する。このけいれんは、ある種の抗けいれん剤がよく効くことがわかり、けいれんの反復を止められるようになった。この場合も後遺症を残すことはない。

 けいれんは確かに慌てても仕方ないが、心配なケースはそう多くない。適切に対処していただきたい。

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