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水曜「働く・暮らす」【けんこう処方箋】

五輪を機に屋内禁煙、進展を 岸玲子

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写真:イラスト・佐藤博美 拡大イラスト・佐藤博美

●北大名誉教授・環境健康科学特別招聘教授 岸玲子

 東京五輪・パラリンピックが3年先に迫り、2019年にはラグビーのW杯も日本で開催される。私は、屋内完全禁煙のための受動喫煙防止法や条例の制定が進むことを期待している。

 国際オリンピック委員会は1988年のカルガリー大会以降、競技会場内外を禁煙とし、たばこ産業がスポンサーになるのを断ってきた。大会前の北京市では禁煙条例ができ、英国ではパブやレストランを全面禁煙とする衛生法が改正された。昨年五輪があったブラジルでも来年開かれる韓国でも、すべての飲食店を含む公共的な施設が原則全面禁煙となっている。

 喫煙によって、数々の疾病にかかるリスクは上がる。受動喫煙だけでも肺がんのリスクが1・3倍になる。母親が全くたばこを吸わなくても、生まれてくる子どもの体格が小さいこともわかってきた。

 そこで世界保健機関(WHO)は03年総会で、たばこによる健康障害や被害を防止するための「たばこ規制枠組み条約」を全会一致で採択した。喫煙室の設置や空気清浄器の使用では受動喫煙を防止できないとして、飲食店や宿泊施設など屋内施設で働く労働者を保護するため、全面禁煙を求める内容だ。

 日本では、健康増進法で「学校、体育館、病院(中略)官公庁施設、飲食店その他の多数の者が利用する施設を管理する者は(中略)受動喫煙を防止するために必要な措置を講ずるように努めなければならない」と定めている。神奈川県、兵庫県では条例が制定され、北海道でも昨年夏、美唄市で受動喫煙防止条例が誕生した。

 だが、小規模飲食店や居酒屋・バーは規制される対象になっていない。かつ喫煙室の設置を容認しているため、従業員や店員は依然として受動喫煙にさらされる。WHOは、日本の受動喫煙対策が遅れていると指摘している。

 私が副会長を務めている日本医学会は、東京五輪を機に日本でも飲食店や宿泊施設といった公共の屋内施設を全面禁煙にすることを求めている。東京五輪は北海道や埼玉県など東京以外でも一部競技が開催されるため、各知事あての要望も出した。

 北海道は喫煙率が高い。五輪を機に禁煙が進めば、道民にとっては素晴らしい健康増進のきっかけになるだろう。飲食店の客足が減るとの意見もあるが、ファミリーレストランの調査結果によれば、禁煙にする前後で収益に差はなかったと報告されている。

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