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水曜「働く・暮らす」【トップに聞く】

道立総合研究機構・丹保憲仁理事長

写真:道立総合研究機構・丹保憲仁理事長 拡大道立総合研究機構・丹保憲仁理事長

写真:道総研が開発した「ゆめぴりか」は全国的な人気ブランド米に 拡大道総研が開発した「ゆめぴりか」は全国的な人気ブランド米に

■研究所統合の強み生かし新産業

●道立総合研究機構・丹保憲仁理事長(84)

 ――食品に使われるトウモロコシ粉の国産品が初めて売り出されました。道立総合研究機構(道総研)が開発したそうですね。

 「パンやお菓子に使う『道産とうきび粉』を開発しました。トウモロコシ粉はこれまで道内では飼料向けに作られていましたが、食用向けはほとんどが輸入品だったので、国産品を求める声に応えました。付加価値を高め、北海道の新たな食産業に育てていきます」

 ――他の新たな取り組みはどうですか。

 「ビッグデータの活用です。根釧農業試験場では、酪農家と連携し、乳牛20万頭の3年分の乳量や病気のデータを集め、乳牛の管理に役立つ技術を開発しています」

 「稚内水産試験場は、タコ漁船からたくさんのデータを送ってもらい、どういう潮の流れのときにタコが取れるかを調べ、いつどこにタコがいるのか分かるようにしています。水産業は変動する海洋環境や国際情勢を考えると、これから漁獲量を増やし続けることは難しくなるでしょう。これまで北海道ではあまり重点が置かれていなかった養殖漁業にも力を入れなければなりません。ホタテの養殖で成果を出していますし、日本海側ではアサリや岩ガキなど二枚貝の養殖の研究に取り組んでいます。魚の養殖では、安価なエサを作ることが大事なので、エサの作り方の研究を進めています」

 ――道総研は創設8年目。産業や道民の暮らしの向上に、どう存在感を高めていきますか。

 「北海道は19兆円ほどのGDPを持っていますが、(貿易収支に当たる)「域間収支」は年間1・5兆円から2兆円の赤字なのです。自立するためには、新たな産業をつくらないといけません。22の研究所が一つに総合化した強みをいかしていく必要があります」

 ――今後の課題は。

 「エネルギーの自立です。2050年ごろになると、化石エネルギーは不足し、高価なため使えなくなるでしょう。道内の畜産農家の間では、10軒ぐらいで混合飼料を作って配達する会社を作っています。例えば、こうした会社が、牛ふんを集め、バイオガスプラントで牛のふんからメタンガスを作り、残った消化液を肥料としてまく。風車や太陽電池も使う。地域の農家がまとまればエネルギーや肥料供給の会社ができ、雇用も生まれます。地域の自立に、技術開発でもかかわりたいですね」

 (聞き手・大久保泰)

    *

 たんぼ・のりひと 84歳 1933年豊富町生まれ。北海道大大学院工学研究科修士課程修了、工学博士。同大工学部教授を経て、95年から2001年まで総長。放送大学長、北海道開拓記念館長を歴任し、10年から道立総合研究機構理事長。専門は環境工学。

 ■「ゆめぴりか」誕生/浸水想定に調査の成果

 地方独立行政法人北海道立総合研究機構は、2010年4月に幅広い研究分野を有する試験研究機関として、22の道立試験研究機関を統合して発足。現在、札幌市に本部を置き、全道各地の試験場などに約1100人が所属する。予算は主に道からの運営費交付金。

 上川農業試験場(比布町)は全国トップクラスのブランド米「ゆめぴりか」を誕生させたことで知られる。このほか、地質研究所(札幌市)の津波堆積(たいせき)物調査は、道防災会議の日本海沿岸津波の浸水想定に生かされている。

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