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水曜「働く・暮らす」【現場一話】

ドローン、農業活用着々

写真:スカイマティクス社によるドローンのデモ飛行を見つめる参加者=旭川市 拡大スカイマティクス社によるドローンのデモ飛行を見つめる参加者=旭川市

■空からの「目」で農作業効率化

 旭川市郊外で3月下旬、農業関係者数十人が目の前を低空飛行するドローン(小型無人飛行機)に見入っていた。

 ドローンを使って水田などの生育状態を確認するサービスを近く始めるスカイマティクス社(東京)の説明会。「価格は?」「故障の保険は?」。渡辺善太郎社長に参加者から次々と質問が飛んだ。

 サービスの概要はこうだ。高感度カメラで上空から農地を撮影。密集している稲などは地上からはどれも同じ緑色に見えるが、真上からだと微妙な色の違いが分かるといい、害虫の早期発見などにも役立つという。

 農家が記録した作業内容はネットワークを経由してAI(人工知能)が蓄積。データを分析し、将来的には病気の診断や作業の助言なども受けられるようにしたいという。

 同社は三菱商事と日立製作所が出資し昨年設立した。ドローンの販売だけでなく、農家に役立つ情報もセットで提供できることが売りで、渡辺社長は「農作業の効率とコストを劇的に改善し、個人の経験と能力に依存しがちな農家の担い手不足の解決に貢献したい」と訴えた。

 農家の高齢化や後継者不足を補うため、情報通信技術で農作業を効率化する「スマート農業」が注目されている。営農規模が大きい道内では、ドローンなど「空からの目」の活用が期待され、IT系の企業が相次いでサービスの提供に乗り出している。

 昨年同市内に拠点を設け、ドローンを農業に活用する実証実験を続けてきたソフトバンクグループのM―SOLUTIONS(ソリューションズ)。ドローンで撮影した動画が航路情報と連動して自動的に地図上に表示され、簡単に作業履歴などを管理できるソフトを1月から販売している。価格は20万円と月額4万円など。データを積み上げ、今年中にはドローンの操作を簡単にしたり、AIが画像を解析して異常がある箇所を自動的に知らせる機能を加えたりする計画だ。

 酪農学園大(江別市)の農業環境情報サービスセンターは、衛星や航空機が撮影したデータなどを組み合わせた地理情報システム(GIS)を活用。作物の高さで成長が分かる立体画像を作ったほか、近赤外線などで作物の成分を分析し、圃(ほ)場ごとに品質が分かるようにしたという。

 同センター長の金子正美教授は、こうした解析情報の提供はまだ実証実験の段階だが、普通の画像を使うだけでも病害虫対策ができ、農薬を減らせるなどブランド化につながると指摘。「ドローン野菜などが売られるようになれば面白い」と話す。

 (渕沢貴子)

■災害対応などにも普及目指す

 農林水産省はICT(情報通信技術)の活用を進め、北海道経済産業局もIT企業と食関連産業とのマッチングに取り組んでいる。土壌の水分量や温度を自動的に測定してデータ分析する、牛の動きをセンサーで感知し発情状況を知らせる、といったサービスが既に提供されている。農作業用のカーナビを搭載したトラクターも広まり、自動走行も実用化された。

 ドローンは農薬散布で普及が始まっており、3、4月にホクレン農業協同組合連合会が運転講習会を開いた。今月、産学が連携し、農業や災害対応などの分野でドローンの普及を目指す「北海道ドローン協会」も活動を開始。ドローンを活用する動きがさらに進みそうだ。

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