メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

10月20日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

新着記事一覧へ

このエントリーをはてなブックマークに追加

水曜「働く・暮らす」【けんこう処方箋】

シックハウス症候群、対策は 岸玲子

写真: 拡大

写真: 拡大

写真:<イラスト・佐藤博美> 拡大<イラスト・佐藤博美>

●北大名誉教授・環境健康科学特別招聘教授 岸玲子

 私たちは一日の生活時間の多くを室内で過ごす。自宅、職場、学校、病院など建物の中の空気の質は、私たちの健康に大きな影響を与える。

 私はかれこれ20年近く、シックハウス症候群の調査研究を続けてきた。10年ほど前には、厚生労働省の研究班班長としてシックハウス症候群に関する正しい知識の普及のために「シックハウス症候群に関する相談と対策マニュアル」を作った。

 このたび、その改訂新版を発行した。保健所などで住まいの相談にあたる方や学校、職場などで衛生管理に携わる方、診療機関の医師などが、市民から質問や相談を受ける際に、どのようなことを知っておくといいのか――。その基本的な答えや科学的根拠を書いたものだ。

 これから自宅を建てる一般市民や、建築業関係の方にもわかりやすいように工夫し、編集した。厚労省のホームページから、内容を無料で読むことができる。

 シックハウス症候群の症状は多彩だ。目がチカチカする、鼻づまり、のどの乾燥、皮膚のかゆみや湿疹、頭痛や吐き気など人によって様々。住宅を離れると、症状が良くなるのが特徴である。

 高気密化・高断熱化などが進み、住宅の質は上がった。半面、換気が不十分だと化学物質の濃度が高くなりやすい。結露などが原因の住宅の湿気も多ければ、シックハウスの原因になる細菌やカビ、ダニが繁殖しやすくなる。

 暖房用のストーブも、排気が十分でなければ一酸化炭素、二酸化炭素、窒素酸化物などの汚染物質が放出される。たばこの煙にも有害な化学物質が含まれている。シックハウス症候群はそれらの多様な原因で起こる。特にアレルギー素因を持つ方や小児が、かかる可能性が高い。

 この10年、アルデヒドやトルエンなどのVOC(揮発性有機化合物)濃度は、建材などの工夫で低下した。だが最近は、塩化ビニール樹脂製品などに添加されているフタル酸エステル類や床の光沢剤などに使われるリン酸トリエステル類など、揮発しづらい化学物質がハウスダストとして高濃度で検出されることがある。換気や掃除で化学物質の濃度を下げるとともに、効果的なカビ・ダニ対策を講じる必要がある。

 相談マニュアルは、医師や建築家、リスクコミュニケーションの専門家らが協力して作った。皆さんの役にたち、シックハウス症候群が予防されることを願っている。

PR情報

ここから広告です

PR注目情報

北海道報道センターから

北海道アサヒ・コムへようこそ。
身のまわりの出来事やニュース、情報などをメールでお寄せ下さい(添付ファイルはご遠慮下さい)
メールはこちらから

朝日新聞 北海道報道センター 公式ツイッター

注目コンテンツ