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水曜「働く・暮らす」【けんこう処方箋】

子のぜんそく、見極め必要 高橋豊

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写真:<イラスト・佐藤博美> 拡大<イラスト・佐藤博美>

●KKR札幌医療センター・小児科特任部長 高橋豊

 年少時期、カゼをひいた際にゼーゼー(喘鳴〈ぜんめい〉)するのは多くの子が経験する。だが、喘鳴を繰り返す子が皆ぜんそくになるわけではない。

 米国のグループが200人以上の子について、生後すぐから年長児になるまで喘鳴の経過をみた研究がある。それによると、3歳を過ぎると「カゼをひいてもゼーゼーしなくなる群(一過性喘鳴)」「小学生の間は続くが、その後ゼーゼーしなくなる群(非アトピー型喘鳴)」「アレルギー検査でダニ陽性となり、さらに喘鳴を繰り返す群」の3群に分類された。

 3番目が本物の小児ぜんそくということになる。一過性喘鳴は肺の機能が低いため、非アトピー型喘鳴はウイルス性気管支炎により気道が過敏状態となったため、ゼーゼーする。吸入ステロイド薬は本物の小児ぜんそくでしか発作予防効果が期待できない。

 同グループは、3回以上喘鳴を繰り返した子がぜんそくになるかどうかの予測指数も策定した。「両親の一方がぜんそく」「子がアトピー性皮膚炎」「検査でダニ陽性」のうち一つ以上、ないしは「食物抗原に陽性」「カゼに関係のない喘鳴」「白血球中の好酸球の比率が高い」のうち二つ以上があてはまれば、ぜんそくになる確率は97%だ。

 ウイルスとぜんそくの関係は、RSウイルスとライノウイルスがよく知られている。1歳前にRSウイルス感染症で入院した子は、将来ぜんそくになる確率が高いという報告があり、ぜんそく発症の原因ではないかと疑われた。

 しかし、一卵性双生児の一方のみがRSウイルス感染症で入院しても、ぜんそくになる率はもう一方と差がないという報告がある。原因というより、ぜんそくになりやすい子はRSウイルス感染が重症化すると考える方が妥当だ。

 一方、ライノウイルスはぜんそく発作の原因としてよく知られたかぜウイルス。3歳未満で喘鳴を来した時にライノウイルスが検出された子は、将来ぜんそくになる確率が高いこと、RSウイルスではそのような関係が見られないことが報告されている。

 ライノウイルスで喘鳴を来す子は、既にアレルゲンに感作されていることもわかった。素因があるためにアレルゲン感作が起こり、ウイルス感染による気管支炎を反復して気道が過敏状態になり、ぜんそくが発症すると考えられる。喘鳴を繰り返す年少児については、常に本物のぜんそくかどうかを見極めながら、治療を選択する必要がある。

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