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水曜「働く・暮らす」【現場一話】

札幌に燻製専門店続々

写真:長井恒輔さんの店で提供している(右)手羽先とエビとゆで卵の燻製盛り合わせ(左)燻製リブロースステーキ=いずれも長井さん提供 拡大長井恒輔さんの店で提供している(右)手羽先とエビとゆで卵の燻製盛り合わせ(左)燻製リブロースステーキ=いずれも長井さん提供

写真:長井さんが昨年1月にオープンしたスイーツ店。ショーケースには燻製した焼き菓子が並ぶ=札幌市豊平区 拡大長井さんが昨年1月にオープンしたスイーツ店。ショーケースには燻製した焼き菓子が並ぶ=札幌市豊平区

 ■ブームの香り、新しい食文化に

 食材に深みのある香りと風味を加えてくれる「燻製(くんせい)」。最近、札幌市内で自家製でいぶしたメニューを提供する飲食店が増えている。

 ススキノ中心部のビルに入る創作和食「おず smoked和taste」。店内に入ると、煙のかぐわしい香りが立ちこめていた。6種類のチップで食材をいぶした料理を提供する燻製専門店だ。

 大半が道産で、猿払産のホタテや伊達産の手羽先などは生から高温で20〜30分一気にいぶす。スモークサーモンは「冷燻」と呼ばれる20度ほどの低温で2日間かけてじっくりいぶしていくという。

 店は日本料理の料理人だった長井恒輔さん(36)が2007年にオープンした。ホッケやラム肉など北海道の新鮮な食材に下味で日本料理特有の「うまみ」を加えたり、燻製したトウモロコシをほぐしてかきあげにしたりと、こだわりのメニューが並ぶ。

 14年に肉料理、16年にスイーツの燻製専門店も同市内に開いた。「煙は料理の可能性を無限に広げてくれる魔法のようなスパイスです」と話す。

 普段食べ慣れている食材とは変わった味を楽しめるとあって静かなブームを呼んでいる。長井さんによると、10年前の開店当時は燻製専門店はほとんどなかったが、現在は札幌市内だけで少なくとも15店舗以上あるという。

 プロの料理というイメージがある燻製だが、家庭で楽しむ人も増えている。長井さんが講師を務める市民向けの燻製講座は毎回、受け付け開始と同時に満席となり、キャンセル待ちの状況が続いているという。

 こうした勢いを追い風に、燻製を新しい食文化にしたい――。長井さんは燻製料理を扱う飲食店や道内の食品メーカーにも呼びかけ、年内に「北海道燻製協会」の設立を目指している。新たな燻製商品を開発したり、燻製についての情報発信を増やしたりしようというのだ。

 長井さんが見据えるのが「北海道ならでは」の燻製料理。豊かな食材に加え、煙を起こすいぶし材から道産にこだわりたいという。これまでヤニが強くて燻製用には向かないとされていたシラカバやエゾマツといった針葉樹を、小麦やそばのもみ殻とブレンドしてチップにしたいとも考えている。

 「ジンギスカンやスープカレーといった北海道のソウルフードと肩を並べられるよう、北海道の広大な大地に『燻製』を定着させたい」。ブームの仕掛け人はそう意気込んでいる。

 (坂東慎一郎)

 ■自宅で楽しめる道具人気

 燻製ブームの火付け役の一つとなったのは漫画「いぶり暮らし」(徳間書店)だ。同居の若いカップルが休みの日に身近な食材を燻製にして楽しむストーリーで、4月までに5巻が出版され、販売部数は計20万部を突破した。アウトドア用品を製造販売する「新富士バーナー社」(愛知県豊川市)は燻製用の自社ブランド「SOTO」を扱い、自宅でも燻製が楽しめる鍋型のスモークポット(税別5千円)や入門用の段ボール製のスモーカー「モクモグ」(同1180円)が人気だという。インターネット通販でも購入できる。

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