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水曜「働く・暮らす」【けんこう処方箋】

質の高い看護提供へ後進育成 大日向輝美

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写真: <イラスト・佐藤博美> 拡大 <イラスト・佐藤博美>

●札幌医大保健医療学部長 大日向輝美

 いま私の机の上には「看護婦免許証」がある。普段は丸めて賞状筒にしまい込んでいるのだが、学生と免許の話をしたのをきっかけに、数十年ぶりに取り出してみたのだ。

 大きさはB4判。厚手の紙に墨字で交付内容が書かれ、かざすと「厚生省」の透かしが見える。枠取りは抽象化された桜花、上部中央に写実的な桐花に囲まれたナイチンゲールのランプが描かれている。改めて見ると、国家資格の証として重々しい雰囲気を漂わせている。

 私が国家試験に合格した1983年、看護職の名称は「看護婦」「保健婦」「助産婦」だった。だから「看護師免許証」ではなく「看護婦免許証」なのだ。48年に制定された「保健婦助産婦看護婦法」は女性を「看護婦」、男性を「看護士」と、名称を性別で区別していた。法律名が「婦」なのは、かつて看護職が主に女性の職業だったからだ。保健師は93年に男性に門戸を開いたが、助産師は現在も女性に限られている。

 「婦」が「師」になったのは2002年。性別で名称が異なる医療職は看護職だけだったことや、男女共同参画社会の推進という時代背景もあり、看護職は「看護師」「保健師」「助産師」となった。

 免許の更新制度を設けている国や看護の専門分野ごとに職場を限定する国もある。だが、日本ではいったん取得した免許は一生ものであり、職場選択も自由にできる。

 厚生労働省によれば、15年末の時点で国家資格を有する看護職の就業者は約127万人で、看護師117万人、保健師6万人、助産師4万人だ。私の免許の登録番号は47万台だから、看護師は就業者に限っても30年余りで70万人以上増えている。

 そのうち男性は約2万人、6%程度である。最近は毎年5万5千人ほどが看護師国家試験に合格しており、看護師免許を有する者は着実に増加している。

 しかしながら、団塊の世代が75歳以上となり、医療・介護サービスの需要がピークを迎える25年には、看護師不足が深刻化することが懸念されている。国は就業者を確保するため、様々な方策を打ち出している。確かに量的確保は重要な課題だが、ランプの描かれた免許証に期待されているのは、質の高い看護によって人々の健康を守り生活を支えていくことだ。

 そのような看護を提供できる看護職を社会に送り出していく役割を担うのも、我々看護職なのだ。

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