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水曜「働く・暮らす」【逸品 ひとモノ語り】

紋別のフューモアールの魚介燻製

写真:魚介燻製の詰め合わせセットを販売している安倍哲郎社長=紋別市 拡大魚介燻製の詰め合わせセットを販売している安倍哲郎社長=紋別市

■立ちのぼる魚のおいしさ

 「子どもの頃は燻製(くんせい)室の中が遊び場だっだ」

 魚介の燻製を扱う専門店を営む、紋別市のフューモアールの安倍哲郎社長(64)は振り返る。家業の水産加工場では、長年燻製も作り続けてきて、製法や味を体が覚えていた。今も下ごしらえで包丁を握るのは自分一人。だから名刺の肩書は「代表取締役職人」にしている。

 「生で食べて、おいしい魚しか使わない」が信条だ。

 素材はサバ、ホッケ、サクラマス、カラフトマス、シロザケ、カキ、ホタテなど。化学調味料は一切使わず、食品添加物もできるだけ加えない。岩塩や酢などで下味を付けた後は、燻製室で火を入れたおがくずとまきがくすぶる熱と煙でいぶしていく。

 「同じ素材でも、洗う時間や塩の量、おがくずの粒の粗さ、空気の湿り気などで、出来が微妙に変わってくる。窯に火を入れた陶芸家に似ているんです」と話す。

 定番商品のサバは、生のサバをいぶしたものがあまりないためか、根強い人気で、「頭を落とし内臓や骨を抜いていくうちに1匹ごとの個性が分かってくる。いぶすときの参考にします」という。

 挑戦を重ねながら販路を広げてきた。

 東京の百貨店の歳暮商品で、シロザケ、ベニザケ、カラフトマス、サクラマスの「鮭(さけ)4種セット」を出したことがある。「一口にサケと言っても、みんな違うということを分かってほしかった」

 グロテスクな顔つきで知られるオオカミウオを使って話題になった。だが、一カ所に長く暮らす魚は取れた海域が違うと身の味も変わり、商品が均一にならないため、販売をあきらめたこともある。

 社名はフランス語で燻製室を意味する。大学で仏文科を卒業し、「(学んだことは)社名に残っているだけ」と笑いながら、「燻製はシャンパンにもよく合うんですよ」と安倍社長。商品の説明にもエスプリが利いている。

 (宮永敏明)

    ◇

 安倍社長の先々代が1916(大正5)年ごろ、釧路で興した安倍三郎商店がルーツ。その後、オホーツク海のスケトウダラを求め紋別に移住。戦後、父が主にそぼろの原料を加工していたが、96年に哲郎さんが燻製一本に絞って有限会社化した。

 紋別市内の複合商業施設「オホーツク氷紋の駅」などで扱うほか、同社のネットショップでサバは120グラムの半身で810円、カキは35グラムで540円(いずれも税込み)など。定番の詰め合わせは5千、4千、3千円(税抜き)など。問い合わせは同社(0158・23・3615)へ。

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