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水曜「働く・暮らす」【けんこう処方箋】

患者に応じた援助、高度な判断 大日向輝美

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写真:<イラスト・佐藤博美> 拡大<イラスト・佐藤博美>

●札幌医大保健医療学部長 大日向輝美

 保健師助産師看護師法は、看護師について「厚生労働大臣の免許を受けて、傷病者もしくは、じょく婦に対する療養上の世話または診療の補助を行うことを業とする者」と定めている。

 この条文にある「療養上の世話」と「診療の補助」は、看護師の2大業務とされている。今回は「療養上の世話」についてお話ししたい。

 「療養上の世話」とは、病気や障害がある人々の生活を支えることだ。人は、幼い頃からのやり方によって、呼吸・食事・排泄(はいせつ)・移動・清潔・睡眠・休息などの生活行動を切れ目なく繰り返し、その人らしい暮らしを作り出している。これらは人間が人間らしく生きていく上で必須の営みであり、どれが欠けても健康や生命を脅かすことにつながる。

 通常大人であれば、日々の生活行動はその人自身がする。他者の手助けを必要としない。しかし、老・病・死を避けられない人間には、病気や障害、治療上の制約、加齢などにより、それまでできていた生活行動に支障を来し、他者の助けを必要とする時が必ずある。人間にとって思い通りに生活を送れなくなることは、病気そのものにも増してつらく苦しいことかもしれない。

 看護師は、その人ができなくなった生活行動を援助し、回復過程を促していく役割を担う。

 しかし、日常生活の援助など誰にでもできる簡単な行為で、「専門性を必要とするほどのものなのか」と思う向きもあるかもしれない。なぜなら多くの人間にとって、生活の営みは習慣と化したありきたりのものだからだ。

 だが「療養上の世話」を要する人たちは、年齢も違えば病気の種類や程度も異なる。同じ病であっても人それぞれの経過をたどる。物事の受け止めや感じ方にも個性があり、その人流の生活パターンがある。

 また病状や経過によって、「全面的に支える」「部分的に助ける」「自分でする方法を教える」「自力でする様子を見守る」など、援助の仕方を変えなければならない。「この人にいつどのような援助が必要か」を判断し、適切かつ安全に実施するのは、健康や生命に直結する非常に複雑で難しい活動なのだ。

 看護師が医療職の中で患者の最も身近な存在であるのは「療養上の世話」を固有の仕事としているからだ。今日も看護師は、患者の傍らで24時間、療養生活を支えている。

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