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水曜「働く・暮らす」【けんこう処方箋】

カフェイン、妊娠中は注意 岸玲子

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写真:<イラスト・佐藤博美> 拡大<イラスト・佐藤博美>

●北大名誉教授・環境健康科学特別招聘教授 岸玲子

 香(かぐわ)しい朝1杯のコーヒーがなければ、一日がすっきり始まらない方もおられよう。

 そのコーヒーの中に含まれていることから命名されたカフェインという成分は、コーヒーに一番多く入っている。だが、実際は紅茶、緑茶、ココアやチョコレート、ソフトドリンクなど多くの嗜好(しこう)品にも含まれ、人々は日常的にカフェインを摂取している。

 カフェインには習慣作用があるので、1日数回以上飲む人も多いようだ。カフェインの効用は、何と言っても中枢神経を興奮させることによる覚醒作用である。しかし、過剰な摂取は体に害を及ぼす。いま一度、コーヒーやカフェインの健康への効果と影響を整理してみよう。

 最近のニュースで「コーヒーを飲むと、心臓病などのリスクが軽減する」という研究発表が取り上げられた。国立がん研究センターの疫学研究で、コホート(集団)を追跡したところ「コーヒーを1日3〜4杯飲む人」は「ほとんど飲まない人」に比べ、心疾患、脳血管疾患、呼吸器疾患の病気で死亡するリスクが減少し、全死亡リスクも24%低いという結果だった。

 コーヒー1杯に含まれているカフェインの量は90ミリグラムほどだ。3〜4杯では300ミリグラム前後になる。妊娠中の女性が多量に毎日摂取すると、低出生体重児などの子宮内胎児発育不全や流産、死産のリスクが上昇するという科学的なエビデンス(証拠)も世界で蓄積しつつある。だが、報道ではこの点が全く触れられていなかった。

 毒性は性・年齢や個人の疾病の有無によっても異なる。例えば内閣府の食品安全委員会のリポートでは、肝機能が低下している人はカフェイン摂取で高血圧のリスクが高まり、カルシウムの摂取量が少ない人では骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の発症原因になる、また妊婦がカフェインを摂取すると胎児の発育を妨げる可能性がある――と注意を促している。

 特に若い女性は注意が必要だ。我々が進めている「環境と子どもの健康に関する北海道研究」で、環境要因に対する反応が個人で異なることに着目して調べたところ、出生時の体重が276グラムも低下したグループがあった。不育症(習慣性流産)とも関係が認められた。

 コーヒーはおいしいが、効果は健康に良い面も心配な面もあるので、大量に飲まないように注意しよう。特にカフェインは色々な食品に含まれているので、妊婦や持病のある方は気をつけよう。 

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