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水曜「働く・暮らす」【けんこう処方箋】

血中ケトン上昇、小児の病態 高橋豊

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写真:<イラスト・佐藤博美> 拡大<イラスト・佐藤博美>

●KKR札幌医療センター・小児科特任部長 高橋豊

 ぐったりして元気がなくなり、血中(尿中)ケトン(アセトン)が上昇する小児特有の病態が二つある。

 一つはケトン性低血糖症で、1〜5歳の低年齢児に多い。「朝起きてこない」「ぐったりしている」「ぼんやりしている」といった症状で運ばれてくる。検査すると血糖が低く、血中ケトンが高値を示す。ブドウ糖入りの点滴をするとたちまち元気になる。

 乳幼児期は肝のグリコーゲン蓄積が少なく、長く空腹状態が続くと血糖を維持できなくなり、脂肪組織からエネルギー源としてケトンが動員されるためである。「前日によく遊び疲れていた」「感染症にかかっている」「前日の食事摂取量が少なかった」「夕食を食

べないで寝てしまった」といった場合に起こる。

 男児に多く、小さく生まれた子や食の細い子にも多い。誘因がわかれば予防は可能だ。ロタウイルスやノロウイルスによる胃腸炎でも、吐いて経口摂取ができないため、すぐに同じ病態になる。

 もう一つは周期性嘔吐(おうと)症だ。アセトン血性嘔吐症とも言われ、2〜10歳の子に多い。

 元気だった子が突然吐き始める。多くの場合は吐くものは胆汁性となり、血液が混じることもある。嘔吐は数時間から1日、長い場合は数日続き、点滴してもなかなか元気にならないことも多い。

 嘔吐発作は数週間の間隔で繰り返すが、その間は全く元気だ。入学・入園、転校といった環境の変化や、運動会や発表会といった極度に緊張するような精神的ストレスが誘因となることが多い。

 このため、かつて我が国では心因的な側面が強調され、自家中毒とも言われていた。しかし近年、成人で多くみられる片頭痛との関連が指摘されている。

 成人後に片頭痛に移行する例が多く、その治療薬が有効である例が多いといったことから、小児に発症する片頭痛の一つと考えられるようになった。成人ではセロトニンという物質の異常放出が関連する血管の収縮・拡張の結果、頭痛として現れるものが、小児では神経系が未熟なために消化器症状が前面に出てくると考えられる。

 身体的・精神的ストレスなどの誘因となるものをできるだけ避けることで、発作の機会を減らすことができる。発作が多い場合には、予防投薬が奏功する場合も多い。またいずれの病態も、時期が来ると自然に良くなるところが共通している。

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