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ほっかいどうアート紀行【ほっかいどうアート紀行】

消えゆく馬を捉える岡田敦(根室)

写真: 拡大

写真:岡田敦「ユルリ島の野生馬」(2013年、ラムダプリント) 拡大岡田敦「ユルリ島の野生馬」(2013年、ラムダプリント)

 根室沖に位置するユルリ島では、かつてコンブ漁で使役された馬の群が野生化して生息している。写真家、岡田敦は、年を追ってその数を減らし、姿を消しゆく馬たちの姿を北海道の歴史と文化の証しとして撮影を続け、今年の第33回写真の町東川賞特別作家賞を受賞した。

 岡田の作品は人物や事物に対しおしなべて距離感をとり捉えた描写で、客観的な印象を持たせると同時に、対象の存在全てを肯定するかのような映像が特徴だ。マイナス20度の酷寒の中でも、馬たちの姿は柔和に表現されている。

 また、東川賞のもう一つの受賞理由となった写真集「1999」にも馬の姿が多く見られる。こちらは岡田が育った札幌郊外のニュータウン近傍で放牧されていた馬を、前世紀の末に撮影したものだ。大都市郊外の、風土と歴史をとどめる光景と、それらとは隣接しながらも断絶するかのように広がる人工的な都市空間という異質なもの同士が併存する環境は、作者がすべてのものに対して等しくまなざし向け関心を持つ契機となったのだろうか。

 (福地大輔・釧路芸術館)

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