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水曜「働く・暮らす」【現場一話】

道、めざすは大規模の自動運転試験場

写真:札幌市中心部の公道実験で自動運転車に乗り込む群馬大の小木津武樹准教授 拡大札幌市中心部の公道実験で自動運転車に乗り込む群馬大の小木津武樹准教授

写真:上士幌町の役場周辺を運転手のいない自動運転実験のバスが走った=10月16日、同町提供 拡大上士幌町の役場周辺を運転手のいない自動運転実験のバスが走った=10月16日、同町提供

■実験誘致し開発拠点に

 世界の企業が開発にしのぎを削る自動車の自動運転。自動運転車を公道で走らせる実験が全国各地で盛んだが、北海道も負けていない。

 10月中旬。群馬大の研究チームがNTTグループなどと開発中の自動運転車が、混み合う札幌市中心部の公道を走り抜けた。市販の乗用車にカメラやGPSなどを取り付けることで、自動運転車にできる仕組みだ。道庁や大通公園周辺の約3キロの走行ルートを設定。運転手は座るがハンドルをさわらなくても、人や建物を避けながら、時速30キロで巡ることに成功した。

 同大理工学部の小木津武樹准教授(32)は「こうした市街地での実験は初めて。高層ビルに囲まれ、GPSの電波が届きにくくなるなど課題も見つけられた」。運転席に座った元教習所教官の小峰千紘さん(26)は「安定した走行はしているが、まだ不安な面はある。道をはみ出さないよう、車体がふらつくことがあった」と振り返った。

 石狩市でも10月、自動運転のカートが、高齢化が進む住宅地と商業施設を結んで走った。上士幌町では、自動運転バスの実験があった。岩見沢市や上富良野町では、農作業をして倉庫に戻るまで自動走行するトラクターのデモンストレーションもあった。

 今年の冬、東日本高速道路(NEXCO東日本)は、道央自動車道で除雪車の自動運転に向けた実験を始める。

     *

 全国の自治体が自動運転の取り組みに熱心なのは、関連技術の開発拠点にしたい狙いがある。全国を上回るペースで人口減少が進む道内では、地域の切実な事情も関係している。鉄道やバス路線が消えつつあるが、車なしでは暮らせない高齢者なども多く、新たな輸送手段の普及に関心が高まっているのだ。

 道は昨年6月、公道実験に必要な自治体や道警などとの調整を一括して請け負う「ワンストップ窓口」を設置。メーカーや研究機関が実験に取り組みやすい環境を整えた。道によると、同様の取り組みは東京都と愛知県だけという。窓口には49件の相談が寄せられた(9月末現在)。

 広大な土地がある道内には、28カ所の自動車関連企業などのテストコースがあり、その数は全国最多。こうした立地もいかし、道は港が近く新千歳空港からも便利な苫小牧東部地域に、自動運転に特化した大規模な試験場の誘致も目指している。

 道産業振興課は「自動運転のニーズが高いが、導入までにはまだ時間がかかる。多くの実験を誘致して開発拠点にしたい。自動運転を活用した、新たなビジネスにつなげる手助けもしたい」と話す。

 (森本未紀)

 ■業種超え開発競争に熱

 5日まで開かれていた「東京モーターショー」でも脚光を浴びたのは、自動運転の先端技術だった。政府は、東京五輪・パラリンピックが開催される2020年までにバスなどの無人運転サービスを地域限定で始めたり、25年には高速道路で自家用車の完全自動運転を実現したりする目標を掲げている。

 一方、業種を超えた開発競争は激しさを増している。カギを握る人工知能(AI)や情報通信の技術力を武器に、米国のグーグルやアップルなどが参入して存在感を高め、自動車産業に挑む構図となっており、日本勢は楽観はできない。自動運転の実用化には安全に関するルールづくりも不可欠となっている。

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