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水曜「働く・暮らす」【トップに聞く】

日本銀行札幌支店長・小高咲さん

写真: 拡大

写真:道内の全産業の業況判断指数(DI) 拡大道内の全産業の業況判断指数(DI)

■「コト消費」型の観光磨いて

●日本銀行札幌支店長・小高咲さん(55)

 ――日銀札幌支店が発表した10月の金融経済概況では、道内景気の基調は6カ月連続で「回復している」としました。

 「昨年夏の台風被害の復旧工事が牽引(けんいん)しています。堅調な世界経済の恩恵を受け、輸出のための設備投資などが増えていることも、道内経済が回復基調を続けている要因です。外国人観光客も順調に増えており、ホテルなどの観光業や小売りも好調です。足元では給料が上がりつつあります。長時間労働を是正して、働きやすい環境をつくる『働き方改革』の機運も出てきています」

 ――心配材料はないでしょうか。

 「人手不足が広がっています。仕事を求めている人にとっては追い風ですが、経営者にとっては頭の痛い問題です。さらに深刻になって、経営の足かせとならないか、注意深く見ていく必要があります」

 「雇用環境が良くなれば、主婦や高齢者が労働市場に出てくるのか、その点でも楽観はできません。道内では構造的な人口減少が進んでいるからです。将来の人手不足に備え、生産性の向上のための設備投資などが進むのか、という点にも注目しています」

 ――9年ぶりの地元出身の支店長だそうですね。

 「高校まで過ごした札幌に住むのは37年ぶりです。札幌は大きく変わりました。札幌駅には大きな駅ビルがつくられ、札幌駅から大通公園にかけては地下歩行空間もできました。いまもよく道に迷うんです」

 ――道内経済を牽引し、将来性が期待できるのはどんな分野でしょうか。

 「やはり『食と観光』だと思います。最新のIT(情報技術)を活用した『スマート農業』を推し進めれば、収穫量を増やし、生産性を高められる可能性があります。道産食材にはブランド力がありますから、国内のみならず、海外市場の開拓にも力を入れていく必要があります」

 「人々の趣向がモノを所有する『モノ消費』から、個人の趣味やライフスタイルに重きを置いた『コト消費』に移ると言われますが、北海道の自然など観光資源の豊富さを改めて実感しています。『コト消費』型の観光に力を入れるなど強みをもっと磨いていって欲しいですね」(聞き手・鯨岡仁)

     *

 こたか・しょう 55歳 1962年、札幌市生まれ。札幌北高、東大法学部卒業後、86年に日本銀行に入行。業務局参事役、文書局参事役などを経て、今年6月から現職。札幌支店の女性の支店長は初めて。

 ■人手不足、バブル超え

 日銀が札幌に出張所を構えたのは1893(明治26)年。先に支店が置かれたのは、函館や、「北のウォール街」と呼ばれ道内の金融経済の中心だった小樽で、札幌に支店が開設されたのは1942(昭和17)年のことだった。

 平成に入ってバブル景気の崩壊後、巨額の不良債権が重荷となって、北海道拓殖銀行が経営破綻(はたん)したのは97(平成9)年11月。当時、札幌支店では金庫に大量の紙幣が積み上げられ、拓銀の預金者保護などのための特別融資(日銀特融)の最前線にもなった。

 あれから20年。札幌支店が今年9月に発表した北海道の企業短期経済観測調査(短観)は、景気が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」を引いた業況判断指数(DI)が、全産業でプラス14と3期連続で改善。人手不足感を示す「雇用人員判断DI」はバブル期を超えている。

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