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水曜「働く・暮らす」【けんこう処方箋】

子どもの肺炎、原因別に3分類 高橋豊

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写真:<イラスト・佐藤博美> 拡大<イラスト・佐藤博美>

●KKR札幌医療センター・小児科特任部長 高橋豊

 お子さんが強いせきをして高熱を出すと、肺炎を心配するご両親は多い。診察して肺に所見があり、X線に影があると「肺炎」、なければ「気管支炎」の診断となる。

 肺炎は原因によって「細菌性肺炎」「マイコプラズマ肺炎」「ウイルス性肺炎」に分類される。世界的には肺炎は5歳未満の小児死亡原因の15%を占め、年間90万人以上が亡くなっているが、この多くが細菌性と考えられる。

 細菌性肺炎は、我が国でも小児にとって怖い病気だった時代がある(今でも成人では死因の3位)。だが小児科医にとって、遅れずに病院を受診してくれたお子さんの細菌性肺炎は、あまり怖くない。

 原因菌としては肺炎球菌が最も多い。この菌による肺炎は高熱が出てぐったりし、検査でも白血球数が著しく増え、炎症反応も強く、X線も広い範囲に影があり重症感がある。しかし、入院して適切な抗生剤を使用すると、速やかに解熱し元気になることが多い。また髄膜炎予防のために導入された肺炎球菌ワクチンの効果により、この肺炎自体が減っている。

 年長児の肺炎の原因は、マイコプラズマが最も多い。細菌性肺炎と比べると症状が軽く、鼻水を伴わない乾いたせきが長引き、熱も徐々に高くなっていくことが多い。「かぜだと思って受診したら肺炎だった」と驚かれることもある。潜伏期が2〜4週間と長いので、いつ感染したかわからないこともしばしばだ。

 マイコプラズマは通常の細菌とは異なり、病原性はあまり強くない。身体の免疫系が反応することによって肺炎という形で現れるので、免疫機能が強くない乳幼児の場合は、肺炎にならないことが多い。家庭内で流行しても兄だけ肺炎になり、弟が5歳未満だと熱も出ずに気管支炎で済むといったこともよくある。

 有効な抗生物質はあるが、細菌性と違って入院治療したら速やかに改善するわけではなく、経口薬と効果に差がないこともある。また過剰な免疫反応が病態の中心なので、抗菌薬だけでは良くならず、免疫抑制剤を必要とするケースもある。

 ウイルス性肺炎は乳幼児に多く、RSウイルスやヒトメタニューモウイルスなどが原因となる。乳児がかかると高熱が出て、呼吸が苦しくなる細気管支炎になり、肺炎を合併すると重症化する。治療薬がない分、小児科医には手ごわい感染症である。RSウイルス感染症はこれから流行期を迎えるので、要注意だ。

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