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水曜「働く・暮らす」【現場一話】

トマム、中国企業傘下入り2年

写真:スキーコースをはさんで新設されたホタルストリート。森の向こうに既存の高層ホテルが見える=占冠村 拡大スキーコースをはさんで新設されたホタルストリート。森の向こうに既存の高層ホテルが見える=占冠村

 ■世界視野に大型投資

 冬本番を迎えた星野リゾートトマム(占冠村)で商業施設や欧州の老舗ブランドのホテルの新設が相次いでいる。星野リゾートトマムが中国企業に買収されて2年。道内有数のスキーリゾートの村は大型投資が目白押しで、世界で相次ぐ中国企業の買収攻勢の「最前線」の様相だ。

 冬季営業が始まって初の週末の3日、ゲレンデの一角に出現した街を親子連れが行き交った。スキーコースの両脇に茶と黒が基調の建物が全長160メートルにわたり9棟立ち並ぶ「ホタルストリート」だ。

 「ホタル」はふもとや山頂ではなく、スキーコースの途中にあるのが特徴。滑走の合間に店の前で板を外し、気軽に食事や買い物を楽しむ欧米の「冬山を楽しむ文化」を採り入れた。こうした施設は日本初という。イタリア料理やスープカレー、カフェ、スイーツ、アウトドア用品などの店はまだ半分ほどが準備中だが、年内に全面開業する。

 スノーボードをしに訪れた東京の会社員女性(25)は「見た目がかわいい。木の建物が温かく感じて良いですね」。平地に造るより費用はかかったが、トマムの加藤智久総支配人は「傾斜地にあるからこその美しい風景が非日常感を演出する。オーナーにそこを理解して投資してもらえた」と話す。

 オーナーとは、トマム社を2015年に買収した中国の復星集団のこと。売却後も施設の運営を担っている星野リゾートが、復星集団の資金力をもとに掲げた大型投資の目玉が、このホタルだった。

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 さらに、今月8日には世界的なリゾート「クラブメッド」(フランス)のホテルもオープンする。クラブメッドも今や復星の傘下で、欧米で浸透するブランド力を生かし、トマムの集客力につなげる戦略だ。341の客室は2月後半までほぼ満室という。

 名物スポット「雲海テラス」は、今年9月に二つの展望施設が新たに完成。計470室の従業員寮も新築した。自前の牧場も来年に設ける。復星側の投資額は星野リゾート分だけで20億円超、クラブメッドのホテルは百数十億円規模になるという。

 星野リゾートトマムの延べ宿泊者数は、15年度(14年12月〜15年11月)の39万人から17年度は47万人に増えた。夏は外国人が3〜4割、冬は5割に達し、中国などアジア圏が多いが豪州も倍増。ニセコなど国内外のスキーリゾートとの競争が激しさを増す中、この冬は「買収効果」を占う最初の試金石となる。

 「トマムは全世界がターゲット。クラブメッドとの相乗効果で人を呼び込みたい」。加藤総支配人は力を込める。

 (渕沢貴子)

 ■バブル崩壊を経て

 星野リゾートトマムは1983年に「アルファリゾート・トマム」として開業。バブル崩壊後経営に行き詰まり、リゾート再生に実績のある星野リゾート(本社・長野県)が2004年に子会社「星野リゾートトマム」を設立し施設の6割を取得、05年に全施設の運営を引き継いだ。06年には雲海テラスを開業。同年、星野リゾートはトマム社の株式の8割を米国系ファンドに売却した。

 中国有数の複合企業「復星集団」傘下の上海豫園旅游商城がトマム社の全株式を183億円で取得すると発表したのは15年11月。占冠村が所有していた4割の施設については今年1月、トマム社が21年度末までに全て買い取ることで合意が成立している。

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