メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

04月21日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

新着記事一覧へ

このエントリーをはてなブックマークに追加
mixiチェック

水曜「働く・暮らす」【けんこう処方箋】

看護衣の色・柄が与える影響 大日向輝美

写真: 拡大

写真: 拡大

写真:<イラスト・佐藤博美> 拡大<イラスト・佐藤博美>

 ●札幌医大保健医療学部長 大日向輝美

 数カ月前のことだ。病気療養中の知人を病院に見舞った。その病院の看護師は、花柄チュニックに白いパンツを着用していた。

 「『責任感の強い頼りがいのある専門職』というイメージが崩れる」。看護職ではない知人は、看護衣に対する違和感をこう語った。違和感は色や柄から来ているらしい。

 2004年の調査によれば、約90%の医療機関が看護衣を制服に指定している。

 看護師が制服を着るようになったのは明治時代からだ。1920年ごろにはワンピースが主流となり、頭から足先まで白ずくめのスタイルが長く続いた。

 この傾向が大きく変化したのが90年代。00年ごろからは活動的なパンツスタイルが多くなり、色・柄物も採用されるようになった。最近はスクラブと呼ばれるVネックの上着とパンツの組み合わせも浸透し、色や柄のバリエーションも豊富になっている。

 看護衣の変化の背景には、機能性の追求や男性の増加、ファッション性の向上など様々な要因がある。従来の白衣が威圧的で恐怖感を患者に与え、高齢者や妊婦の「白衣高血圧」や子どもの病状悪化の原因となったりすることが問題視されたのも大きい。

 看護衣は、他の職種との識別といった制服としての実用性に加え、役割意識や自尊感情の高揚、社会的意義の自覚などにつながり、着用者の心理や思考を左右する。他方、看護師に対する印象をつくり、患者との関係構築に影響を及ぼす。白衣高血圧のように、情動への刺激が生体反応を引き起こしたりもする。

 看護衣のデザインが看護師・患者双方に与える心理的な影響を調べた研究によれば、両者ともに好ましいとする看護衣は、白地に淡い花柄や白無地の上着に、白いパンツをはくスタイルだ。好ましくないとされるのは濃い色合いの赤・青系のスクラブ。とりわけ病気に対する不安の強い患者からの評価が低いらしい。

 また、白の看護衣からは責任や信頼、花柄の看護衣からは思いやりや親しみなどがイメージされている。柄物の場合も白を基調とする方が好まれるようだ。看護師という職業に何を求めるかによっても、好ましいと感じるデザインは違ってくるだろう。

 冒頭の知人は、医師や看護師にふさわしい服装は基本的に「白衣」なのだと言う。そこには専門職の価値を責任と信頼に置く厳しさと、医療職の専門性への期待があるようにも思えたのだった。 

PR情報

ここから広告です

北海道報道センターから

北海道アサヒ・コムへようこそ。
身のまわりの出来事やニュース、情報などをメールでお寄せ下さい(添付ファイルはご遠慮下さい)
メールはこちらから

朝日新聞 北海道報道センター 公式ツイッター

注目コンテンツ